しきみ

朝の散歩の帰り道、
緑の葉に黄色の花が
数多く咲いている
灌木が目にとまった。

素朴な植物ながら
独特の芳香がある。
その花木の名を後に
しきみと知った。

樒と書いてしきみ。
最強の毒を持つ
香り高い植物であり、
清めのしきみという。

この芳香が悪しき
穢れを浄化してくれ、
彼岸のお墓参りの
花として珍重される。

仏の美しい目の
青蓮華に似ていると
鑑真が日本に持ち帰り、
空海が修業に用いた。

花の榊といわれる
しきみという花。
来年のお彼岸には
この花を供えたい。