朝焼けと太陽

息を呑むような
綺麗な朝焼けだった。
紅、赤、橙と何層にも
いろいろな赤が重なり、
それが空に溶け込んで、
赤紫、藍紫、群青へと
これも色を重ねていく。

今年一番の寒さの中、
凍えそうなベランダで、
うっとり見とれていると、
柑橘の太陽が顔を出した。
ぎらぎらと辺り一面に
オレンジビームを放射、
暗緑の森を輝かせる。

夕焼けとはまったく異なる
エネルギーに溢れた朝焼け。
森に墜ちていく太陽は
哀しく寂しく侘びしいが、
空に登って行く太陽は
勢力と気力と活力に溢れ、
生命力を与えてくれる。

生きとし生けるすべてのものに
今日を生き抜く力を与えてくれるのだ。