夕暮れにぼんやり

山の家のベランダに
西日の木漏れ日が
煌めいて入ってくる。

ひぐらしがカナカナと
あちらこちらの木々から
何匹もで輪唱している。

涼しい風がやさしく、
陽に焼けた肌を
すっと撫でていく。

暑かった夏の日の
夕暮れの一時を
椅子に座って過ごす。

何もかも忘れて
瞳を光る緑の葉に向け、
ぼんやりとする。
ただひたすらに
ぼうっとしているのだ。