「雪中四友」の蝋梅
久方ぶりに暖かかった。
雲ひとつない青空、
陽の光は明るく輝き、
セーター姿でよかった。
近所の家の庭の細い木に
黄色い花が咲いていた。
「あっ、蝋梅だ」
甘い匂いが辺りに漂う。
蜜蝋でできたような花。
冬に咲く貴重な花だ。
「雪中四友」のひとつで
雪の中でも花開くという。
「雪中四友」の花は
玉梅という白い梅の花、
茶梅と呼ぶ山茶花、
黄色い水仙と蝋梅だ。
このありがたい蝋梅を
部屋の中で枝ごと活ける。
甘い香りが部屋に漂い
黄色い花と共に愛でる。
蝋の梅 ぽろりと落ちて 火を付ける 京太郎