幻のロマネコンティ

もう随分前のことになる。

フランスの名醸ワインを求め

ブルゴーニュとボルドーを

ルノーサンクで周遊した。


パリを出発、ディジョン、

シャンパーニュと南下し、

ブルゴーニュに入った。

憧れのコートドール!


ロマネ・サンヴィヴァン、

ラ・ターシュ、そして遂に

ロマネコンティの畑を見つけた。

誰もいない静かな田舎の葡萄畑。


季節は肌寒い秋になっていた。

葡萄はすでに収穫され、

摘み残したが枯れたような枝に

干し葡萄となって残っていた。


その数粒をカメラフィルムの

パッケージに入れ日本に戻った。

小さな庭にその干し葡萄を埋めた。

すると、春に奇跡が起きた!


ロマネコンティの芽が出たのだ!

早速、園芸支柱を囲むように立て

蔓が巻き付くようにした。

いつか葡萄の実が成りますように!


収穫できたらワインにしよう。

ワイン名は「ロマネ・オンジョー」。

世界に名だたるピノノワール。

夢は大きく膨らんだのだった。