殺人か事故か

事故か殺人か。
吊り橋から女が落下した。
男が傍らにいた。
男は早川兄弟の兄・稔。
現場を弟・猛が目撃していた。

気鋭の映画監督、
西川美和の悪夢が脚本になり、
映画「ゆれる」になった。
故郷で暮らす実直な兄、
自由奔放で東京にいる弟。

母の一周忌で兄が弟を呼び、
兄弟で子供の頃に行った
渓谷に女を連れて遊びに行った。
女は弟が昔付き合い、
兄が好きな女である。

弟は帰郷してすぐに女と性行為、
兄はカマをかけてそれを知る。
兄の嫉妬が殺人となったのか、
弟は兄を庇って見なかったと主張。
確たる証拠はなくほぼ無罪。

しかし弟が証言する直前、
兄は弟が最初から自分を疑っている、
さらに殺人犯の弟になりたくない、
厄介な女を俺が殺してやったといい、
怒った弟は兄が殺したと証言する。

果たしてそれは真実なのか?
弟役はオダリギリジョー、
兄役は香川輝之。
二人の演技が映画を高める。
女は魅力的な真木ようこ。

見るまで全く想像してなかった法廷映画。
事件は謎のまま進行し、
兄弟の確執がさらに謎を深める。
殺人か事故か、微妙な状況が
映画を卓越したサスペンスにした。
脚本はノベライズにもなり、
西川は三島由紀夫賞候補になった。