《遅れてきた青年》
室生犀星の詩、
「はる」に曲を付けた
ロックバンドを知った。
《遅れてきた青年》*
そんな名のバンドだ。
この名はどこかで聞いた。
そう、大江健三郎の
小説のタイトルだ。
何だか文学的な匂い、
面白いバンドかもしれない。
7年ぶりのライブが
僕の街であると知った。
「フライングティーポット」。
降りしきる雨の中、
地下は人熱れだった。
「はる」以外は
すべてオリジナルの詩と曲。
作ったのは否樫侑と南終次。
彼らの詩が特にいい。
現代の中也か朔太郎か。
怒濤の如く次々に歌われる。
「恋する者たちの裂け目」
「浅瀬の帆船」「淋しい夜」
「海と瞳」「69」などが
僕が気に入った詩と曲だ。
また聴きに行きたい。
今度は否樫の歌を
もっとしっかり聞きたい。
アコースティックギターで
弾き語りをして欲しい。
*詩は初稿を訂正したものです。《遅れてきた青年》はnoteで読んだり聴いたりもできます。https://note.com/o_seinen/