岩城メモリアルコンサート

岩城メモリアルコンサートは
石川県立音楽堂ホールで行われる。
ステージには岩城さんの写真が
花束とともに飾られている。
オーケストラアンサンブル金沢の
楽員たちがステージに登場する。

まずは岩城宏之音楽賞の授賞式。
岩城夫人でピアニストの木村かおりさん、
作曲家で岩城さん大親友の池辺晋一郎さん、
指揮者の広上淳一さんが選考委員だ。
晴れある今年の受賞者は才能溢れる
ピアニスト・武田理琴乃さんである。

コンサートは藪田翔市さんの現代音楽曲、
「アキュレイム・フォー・オーケストラ」。
音のズレと重なり合いを楽しむ楽曲だ。
沼尻竜点氏の指揮でオケが巧みに演奏。
現代音楽初演は岩城さんの真骨頂、
今の音楽を後世に残したい思いがあった。

武田理琴乃さんは高度な技巧を要する
リストのピアノ協奏曲第2番を奏でる。
小さな体から猛烈なエネルギーが噴出、
ピアノが生き物のように躍動する。
アンサンブル金沢と理琴乃さんのかけあい、
ホールは興奮のるつぼと化す。凄い!

最後がオーケストラだけの演奏。
メンデルスゾーン交響曲第4番イタリア、
リハーサルでも心を揺さぶられたが、、
本番はさらに生き生きと音が高鳴る。
イタリアの燦々と降り注ぐ明るい太陽、
蒼く輝く地中海の海が目の前に広がる。

アンコールはモーツアルトの
フィガロの結婚序曲でノリノリ!
素晴らしいプログラムと演奏の数々。
岩城さんはきっと天国から喜びの聲、
喝采を上げているに違いない。
聴衆も感動の拍手を鳴り響かせた。