努力は報われる
東京五輪でメダルを目指していた
大型天才スイマーの池江璃花子に突然、
白血病の病魔が襲ったことを知ったとき
あまりに理不尽な出来事に呆然となった。
池江の絶望感は計り知れないものだったろう。
彼女は治ると信じて練習できるまでに回復、
それでも東京五輪への出場は諦めていた。
その五輪が世界を襲った感染病で延期となる。
もしかしたら東京五輪出場が叶うのではないか。
それからの練習は過酷なものだったに違いない。
とうとう春の競泳日本選手権が開催された。
夏に行われる東京五輪の予選会を兼ねていた。
100mバタフライ予選は五輪代表記録に後一歩。
体力を消耗するので決勝は苦戦が予想された。
予選より決勝でタイムを縮めるのが強者の証。
池江は不屈の闘志と冷静な戦略で泳ぎ切った。
一着となったが五輪出場を果たせるかはタイムだ。
57秒77、池江の目にみるみる涙が溢れ出る。
わずか0秒15上回りリレーの代表選手となった。
絶望の淵から執念でつかみとった東京五輪切符。
泣きながら絞り出した池江の言葉がすべてを物語る。
「すごくつらくてしんどくても努力は必ず報われる」