鼻血の後夜祭!
僕が高校生だった頃、
文化祭の最大の関心事は
後夜祭にあった。
校庭で女子生徒と
フォークダンスを踊るからだ。
意中の娘と手をつなげるか、
男子生徒の鼻息は荒い。
このときの曲は「ジェンカ」。
後夜祭が忘れられず、
結婚式で「ジェンカ」をかけ、
皆で踊ることもある。
フォークダンスが終わると、
照明が消えてチューリップの
「心の旅」が流れたのである。
♬あーだから今夜だけは
君を抱いていたい
あー明日の今頃は
僕は汽車の中♬
手を握るだけでも汗が出る、
純真な高校生にはちょっと
刺激的な詩であった。
今でもこの「心の旅」を聴くと
甘酸っぱい気持ちになる。
あの娘は何をしているのだろう?
そんなふうに思うからだろう。
♬旅立つ僕の心を知っていたのか
遠く離れてしまえば
愛は終わると言った♬
恋も愛も知らなかった
青年になれない少年時代。
でも楽しかったあの頃。
「心の旅」を聴けば
あっという間にあの時に戻る。
あの娘と踊れなかった
鼻血の後夜祭に!