小彼岸桜
公園の木々は葉もなく
冬枯れて寒々している。
焦げ茶色に覆われた世界に
小さな2つの木がピンクの
綺麗な花をいくつか咲かせた。
二月の真冬に咲くなんて
何の木の花だろうと
そばに寄ってみると
木肌は桜のものである。
ひとつの花に五つの花弁。
冬に咲く桜を調べると
大山桜か大寒桜か、
寒緋桜か有名な河津桜か、
似ている桜はたくさんあるが、
あっと思い当たるものがあった。
小彼岸桜である。
五枚一重の薄桃の花。
木は大きく育たない。
彼岸に咲く桜なのか。
ならば少し早咲きである。
小さな彼岸の桜。
綺麗で儚い名前。
寒々とした散歩に
暖かさを与えてくれる
とても嬉しい桜だ。
公園を周回して
そのたびに2度ずつ出会える。
まだまだ冬の寒さは続くけど、
ありがたい小彼岸桜だ。
冬枯れに 小彼岸桜 緋が嬉し 京太郎