笑顔は心を変えてくれる
「スマイル、スマイル、スマイル」
僕が落ち込んでいたとき、
KI銀次郎がそう言ってきた。
自分が病に伏せっているというのに。
「うわ、銀ちゃんのほうが辛いじゃないの」
僕はおもわずハッとしてしまった。
銀ちゃんは苦しい抗がん剤治療をしていた。
それなのに僕を励ましてくれたのだ。
「スマイル、スマイル、スマイル」
声に出してそう言ってみた。
何回も言っているうちに
僕の中の何かが変わってくる。
少しずつ笑顔になってくる。
暗かった鬱々とした気分が晴れてきた。
重かった気分も軽くなってくる。
言葉が顔を変え心まで変えてしまうのだ。
「スマイル、スマイル、スマイル」
どんどん声に出して言ってみる。
見るものすべてが楽しくなってきた。
箸が転んでもおかしいというやつだ。
花を見てにやにやしてしまう。
猫を見ても吹き出してしまう。
おじさんを見て笑い出してしまう。
見るものすべてがおかしいのだ。
「スマイル、スマイル、スマイル」
どんなことも笑顔で接すれば、
何でも楽しくなってくる。
世の中は楽しいことに溢れている。
ありがとう、銀ちゃん、これからもよろしくね!