喜ばない美学

元横綱稀勢の里、
二所ノ関親方は関取、
大の里を育て上げた。
秋場所で夏場所以来
二度目の優勝を成し遂げた。

192cmの立派な体躯、
親方が現役時の十八番、
左おっつけを武器に、
大関琴櫻と豊昇龍を
圧倒して破った。

昭和の時代以降最速の
9場所で大関昇進を
確実としたのだ。
大いなる自信をつけた
大の里は横綱になるだろう。

大の里は勝っても
決して喜ばない。
これも二所が関親方の
貴い教えである。
相撲は神事なのだ。

相撲の神様や祖には
出雲国の野見宿彌、
剣の神、建御雷之男
怪力の神、天手力男神、
といったものがいる。

大の里の土俵上の姿、
恐ろしいほどの馬力、
怪力の腕力などを見ると
もはや相撲の神のよう。
雷が空を裂く轟きなのだ。