バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の「メサイア」_2019年12月26日
2019年12月26日に、バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の演奏で「メサイア」を聴いてきました。
「メサイア」は、「ハレルヤ!」で有名な、ヘンデル作曲のオラトリオです。
私はクリスチャンの家で育ったので、「メサイア」に描かれている世界がより身近に感じられました。
例えば、病気になった時などにオリーブオイルを額につけて祈り、そのことで神の加護を願うという習慣から、歌詞に登場する「油を塗った者」という言葉が、洗礼を受けた者を指していると理解できたのです。
幼少期に日常だった些細なエピソードという点と点がつながり、「メサイア」の演奏はまるで自分の原点の一つを確かめていくような時間でした。
また、コンサートの前に詳しい解説・指導書で勉強していたのですが、歌詞に合わせて歌ってみた際、不思議な感覚がありました。
「あれ、この曲、知ってる」
その感覚が、「聴いたことがある」という感触よりもっと確かな、「声帯が開く感触を身体が覚えている」という実感でした。
過去に、ずいぶん練習して無意識に歌えるようになり、時々なら歌に感情を乗せることもできていたという身体的な記憶。
きっと、子どもの頃に教会で合唱の練習をしたのかも知れませんね。
BCJの演奏は言うまでもなく素晴らしく、特にソプラノのジョアン・ランさんの声にすっかり魅了されました。
凛とした澄んだ声でありながら、しっとりとまとわりついて、軽やかに流れてゆくようなソプラノでした。
また1年勉強して、来年も聴きに行きたいです。
(サントリーホールはすっかりクリスマス仕様でした)