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子どもと関わる全ての方へ「感覚統合」について【前編】

はじめに

今まさに子育て中の方や、保育園や学校、学童、学習塾など子どもたちと関わる機会のある方のお悩みいろいろあると思います。
落ち着きがない、大人数の場所が苦手、ノートから字がはみ出る、冬なのに半袖半ズボン、同じ服への強いこだわりなどなど細かいことですが保護者や先生にとっては、大きなことです。
最近は、すぐに発達障害ということで世間は片付けてしまいますが、私たち大人も勉強する必要があると思います。

もちろん発達障害についてや障害の特性を勉強した上で感覚統合について学ぶのがより理解を深め今後の教育活動に活用できると思います。
(今回は省略させていただきます)

今回は「感覚統合」についてお話しさせてください。
「感覚統合」ってご存知ですか!?
私も数年前に知り、いろいろと衝撃を受けたので共有させてください!!
そして私も勉強中です!!!
文章にしてまとめてみます!難しい本を読んだりわかりやすい本を読んだりした私の中のアウトプットです!
※間違った表現があるかもしれませんその時は皆様ご教示ください

感覚統合とは


感覚統合(Sensory Integration)とは、
視覚、聴覚、触覚、前庭感覚、固有受容感覚
といったさまざまな感覚情報を脳が統合し、それを基に適切な行動や反応を生み出す能力を指します。この概念はアメリカの作業療法士であるA. ジーン・エアーズ博士によって提唱されました。感覚統合がうまく機能することで、日常生活や学習、社会的なやり取りがスムーズに行えるようになります。

感覚統合の問題とその影響


感覚統合に困難を抱える子どもたちは、以下のような特徴を示すことがあります

触覚過敏とは

触覚過敏(Tactile Hypersensitivity) とは、触覚に対する感覚の過剰な反応を指します。日常的な触覚刺激(肌に触れるもの、服の素材、人との接触など)が、本人にとって不快や苦痛に感じられる状態です。この過敏さは、感覚統合の一部として処理される触覚情報の調整がうまくいかないことが原因とされています。

触覚過敏の主な特徴

触覚過敏を持つ子どもは、以下のような行動や反応を示すことがあります
1. 服や布の素材への強いこだわり
•特定の素材の服を着るのを嫌がる(ウールやタグ付きの服など)
•新しい服や靴を拒否し、特定のアイテムばかりを着用したがる。

2. 他人との接触を嫌がる
•軽いタッチ(握手やハイタッチ)を極端に嫌がる。
•遊びや授業でのグループ活動で、他人が近づくと不安を感じる。

3. 食べ物や飲み物に敏感
•食べ物のテクスチャ(ザラザラ、柔らかい、ヌルヌルなど)に強い拒否反応を示す。
•特定の感触を持つ食品(例えばゼリーや硬いもの)を避ける。

4. 身の回りの環境に敏感
•髪を切る、ブラッシングする、爪を切るなどの日常的な行為を極端に嫌がる。
•シャワーやプールの水が肌に触れるのを嫌がる。

5. 外出先での過剰な不快感
•砂や土、草が肌に触れるのを嫌がるため、外遊びを避ける。
•混雑した場所や人が多い場所で、周囲の刺激に圧倒されやすい。

触覚過敏の困りごと(具体例)

ケース1
着る服の問題

小学校1年生のAさんは、タグ付きの服や厚手の素材の制服を着るのを嫌がり、登校時に泣いてしまうことが多い。結果として毎朝の準備に時間がかかり、学校生活に遅れが生じる。

ケース2
他人との接触を避ける

幼稚園のBくんは、友達と手をつなぐのを嫌がり、集団活動に消極的。結果として、友達との交流が減り、孤立しがちになる。

ケース3
食事の偏り

小学3年生のCさんは、柔らかい食べ物やヌルヌルした食感の食品(卵やトマト)を嫌がり、給食でほとんど食べない。栄養が偏り、体力や集中力の低下が心配される。

ケース4
外遊びの制限

幼稚園のDさんは、砂場遊びを拒否し、外遊びを楽しむ他の子どもたちと一緒に遊べない。結果として運動量が不足し、体力がつきにくい。

触覚過敏の原因

触覚過敏は、脳が触覚情報を処理する際に誤った解釈をすることが原因とされています。この問題は以下のような状況で見られることが多いです:
•感覚統合の問題
(脳が感覚情報を統合するのが苦手)
•自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達特性を持つ子ども。
•神経系の未発達や感覚処理障害(Sensory Processing Disorder, SPD)

支援のポイント
1. 環境調整
•服の選択肢を広げる→タグを取り除いたり、柔らかい素材の服を選ぶ。
•過剰な刺激を避ける→教室の机や椅子にクッションを置き、肌への不快感を軽減する。

2. 感覚慣れのトレーニング
•少しずつ刺激に慣れさせるための遊びや活動を取り入れる。例:砂場で手袋を使って遊ぶ→徐々に素手で触れるようにする。
•嫌がらない程度のマッサージやブラッシングを行い、触覚への刺激を少しずつ増やす。

3. 本人の選択を尊重する
•嫌がることを無理強いしない。子どもが心地よいと感じる選択肢を提供する。
•触覚に不安を抱えている場合、具体的にどの感触が嫌なのかを話し合う。

4. 学校との連携
•教師や支援員に触覚過敏の特性を共有し、配慮してもらう。
•体育や給食など、刺激が多い場面での代替案(柔らかい素材のマット使用、食べられるものだけを少量提供)を提案する。

同じ服へのこだわり強い子は、触覚過敏かもしれません。触られるのが怖くて列に並ぶのも苦手な子が多い子がいました。最後尾なら並べるという子もいましたね。(経験談)

前庭感覚とは


前提感覚(Vestibular Sense) は、内耳にある前庭器官で感知される感覚で、身体のバランスや姿勢の維持、重力に対する位置の認識を司ります。この感覚が正常に働くことで、動作や移動中に体の位置や動きを正確に把握できるようになります。

前庭感覚の不全とは

前庭感覚がうまく機能しない場合、以下のような困難が生じることがあります。
•重力や身体の位置感覚が不安定になる。
•バランスを取るのが難しくなる。
•動きに対する不安感や過剰な恐怖感を抱く。
•逆に動きの刺激を過剰に求める場合もある(感覚鈍麻)
これらの不全は、学習、遊び、日常生活に大きな影響を及ぼします。

前庭感覚の不全で困ること(具体例)

1. バランスが取れない


小学校1年生のAくん
•体育の授業で平均台を歩くとき、体が揺れて足を踏み外してしまう。
•友達と鬼ごっこをしているときに転びやすく、すぐに遊びから外れてしまう。

困りごと→体の不安定さから運動が苦手になり、         自信を失う。友達との交流も減少。

2. 空間認識が弱い


小学校3年生のBさん
•算数の授業で、定規を使って線を引くときに    うまくまっすぐに引けない。
•教室の席を移動するときに机や椅子に頻繁にぶつかる。

困りごと→物の位置関係が把握しづらく、作業や移動がぎこちなくなるため、学習効率が低下する。

3. 動きに対する不安感が強い


幼稚園年長のCくん
•ブランコや滑り台を怖がり、全く近づこうとしない。
•階段を下りるときに手すりをしっかり持たないと進めない。

困りごと→他の子どもたちが楽しむ遊びに参加できず、孤立しがちになる。

4. 過剰な動きを求める


小学2年生のDさん
•授業中、じっと座っていられず、椅子を揺らしたり、床に転がったりする。
•家では、ソファやベッドから飛び降りたり、家の中を走り回ることが多い。

困りごと→過剰な動きが目立ち、注意力が散漫になるため、学習や生活のルールに支障をきたす。

5. 重力不安(グラビティインセキュリティ)


小学4年生のEさん
•高い場所に上るのが極端に怖い。
•自転車に乗る練習をしても、ペダルを漕ぐときに不安で泣き出してしまう。

困りごと→重力に対する不安が強く、挑戦する機会が減少。自己肯定感が低下しやすい。

前提感覚の不全が与える心理的影響
•自信喪失:運動や遊びが苦手で、成功体験が少ない。
•孤立感:友達と同じ活動に参加できず、関係が疎遠になる。
•不安感:新しい環境や動作への挑戦を恐れる。

支援のポイント

1. 環境の調整
•運動が苦手な子どもには、段階的に安全な環境で挑戦させる。例:低い平均台や広い空間で練習する。
•感覚刺激が強すぎる場所(騒音や過剰な動きが多い場面)を避ける。

2. 感覚統合を促す活動
•バランス感覚を鍛えるための活動を取り入れる。例:トランポリン、ブランコ、ボール遊び。
•小さな成功体験を積み重ね、徐々に自信をつけさせる。

3. 心理的な支援
•「できる範囲でいい」という姿勢を持ち、無理に挑戦を強要しない。
•成功した際にしっかり褒め、達成感を共有する。

バランスが取れないので、エスカレーターに上手く乗れない子がいました。視覚とも影響していると考えます。

以上前庭感覚についてでした。

長くなってきたので、後編に視覚や聴覚、固有感覚、について書いてみようと思います。

これらの困難は、学習意欲や行動、対人関係に影響を与えるため、教育現場での支援が重要だと強く感じます!!
感覚統合の視点を取り入れることで、子どもの特性に応じた支援が可能になると思いませんか!?

私は思います!

ブランコやトランポリンが子どもたちにどれだけ大切か、、小学校の先生はもちろん、保護者の皆様に伝われば幸いです。
反応が多いと後編を書くやる気に繋がります!
読んで下さりありがとうございました!!

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