
大学野球を3年秋で引退した理由
はじめに
「大学野球を辞める。」
この決断を下すまで、何度も葛藤しました。
小学校から始めた野球。中学、高校、そして大学と続けてきたこの競技は、私の人生そのものと言っても過言ではありませんでした。
私の大学は体育大学で野球部員は4学年合わせ約130名在籍していました。
ほとんどの選手は、セレクションを突破した推薦組で甲子園出場経験や、地方で名の知れた選手、そのほかの選手も強豪校でレギュラーメンバーとして活躍した選手ばかりでした。
高いレベルの環境で野球ができる喜びや、野球部を通して出会えた仲間は今でも大切です。
ただ、大学3年生の秋、私は野球に一区切りをつける決断をしました。
その理由は、主に3つです。
「就活」「勉強」「実力不足」
正直に言うと、全てが中途半端になりそうな自分を見つめ直し、覚悟を持って下した結論でした。
この記事では、その時の心境、そして野球を辞めるという選択を経て得たものについて書いていきます。
理由1:就職活動との両立は不可能だった
大学3年生の秋は、就職活動に忙しい!
勉強、教員採用試験対策、自己分析、エントリーシート、面接練習…。どれも真剣に取り組むべきものですが、野球部の練習や試合と両立させるのは想像以上に難しかったです。
教員、公務員を志望していた私は主に、試験対策の勉強や、模擬授業練習、面接練習などが必要です。
朝早くから野球の自主練、授業、課題、夕方は野球部の練習、夜はアルバイト、そして土日は試合にアルバイト、そんなスケジュールの中では、教職の授業の課題をするだけで精一杯でした。
でも、私が本当に向き合うべきは「自分の将来」だと気づきました。
野球を続けることで、就活を疎かにするのは本末転倒だと感じたのです。
もちろん大学野球をやらせてもらっている以上、社会人野球やプロ野球などもうワンランク上のレベルで野球をやりたかった気持ちもあります。でも周りの選手と自分を比較すると、
「プロ野球選手になりたい」
と言葉にすることは、いつの間にか出来なくなっていました。いつの間にか自分の実力を知って上のレベルでは通用しないことを感じていました。
「プロ野球選手になるわけじゃないなら、社会人としての第一歩をしっかり踏み出すべきだ。」
そう思い、教員採用試験に集中するために野球を辞めることを選びました。
理由2:勉強不足
学生生活の中で、恥ずかしながら私は勉強を軽視してきました。
野球を言い訳にして、授業や専門分野への取り組みを後回しにしてきたんです。
高校時代からほとんど勉強せず、野球だけやって進路を決めて、大学でも野球しかしてきませんでした。
でも、就活を進める中で、自分の知識やスキルの不足を痛感しました。
大学の授業では、教員を目指す学生なら誰でも知っているような内容をまともに答えられない場面がありました。その度に笑いやキャラクターでごまかしてその場を逃れていました。
「あれ?俺、野球以外なんもできへんやん」
そう気づいた瞬間、不安で押しつぶされそうになりました。
野球を辞めることで生まれる時間を、「学び」に使おうと決めました。
なぜこの大学に来たのかを考え直すと、
野球やるため→やりきった
教師になるため→単位だけギリ取ってる
これはあかん!!
俺は教師になるために大学に来たんや!!!
今さらかもしれませんが、それでも、社会に出る前に自分を鍛え直したいという思いが強くなりました。
理由3:実力不足という現実
大学野球は「努力すれば報われる」世界ではありませんでした。
全国から集まった才能ある選手たちの中で、自分の実力がどれほど通用しないかを痛感する日々。
チームに貢献できない自分。試合に出られない悔しさ。
その度に「もっと頑張らないと」と自分を奮い立たせてきましたが、限界を感じる瞬間もありました。
「野球が好きだから辞めたくない。」
その気持ちだけでは、チームにとっても自分にとってもプラスにならないと悟りました。
こんな出来事がありました。
大学3年の春休み、高校を卒業したばかりの有望選手(まだ高校生)が練習試合に来て、高校のユニホームを来てすぐに試合に出てマウンドで活躍してました。
私はその時、ファールグラウンドでボールボーイしてました。ベンチも入れず、
無意識に高校生投手に「打たれろ打たれろ」と念じました。
ベンチに入れないことも、チームを応援できてないこともなんだか情けなくて、
「毎日辛い練習してなにしてんだろ?」
「大学まで野球してなにしてんだろ?」って
心底悲しくなって
「野球辞めよう」と強く感じたことが転機でした。
ちなみに…
このきっかけをくれた当時の高校生投手は、数年後に都市対抗野球の東京ドームでバンバン投げて大活躍する社会人野球の大投手からのドラフト指名されプロ野球選手になりましたので私の当時の悔しさも成仏しました!!!!
活躍してくれてありがとう!!!(心の声)
辞める決断が教えてくれたこと
野球を辞めると決めた時、自分の中で大きな穴が空くような気がしました。
「本当にこれで良かったのか?」
何度も自問しました。しかし、何日経っても、何ヶ月経っても、10年経ってもあの時に野球部を辞めたことを後悔して日はありません。むしろ2年の秋頃に辞めて大学生活をエンジョイして海外旅行に行けばよかった!と感じるまでに、、笑
でも、辞めたからこそ見えた景色もあります。
時間が生まれたことで、就活にも勉強にも集中できるようになりました。
そしてドMな私は、野球を辞めたんだから
勉強を頑張らなければ、野球を続けているみんなよりクズだ!と自分をいじめぬくことができました。
そして何より、「辞める」という選択が、人生を切り拓くための新たなスタートだったと気付きました。
最後に
辞めるのは敗北じゃない
辞めることは、逃げでも敗北でもありません。
むしろ、何かを辞める勇気を持つことは、自分の未来に責任を持つことだと私は思います。
野球を辞めた今でも、私の中には野球で培った経験が確かに残っています。
努力の大切さ、仲間との絆、逆境を乗り越える力。
それらは、どんな場所に行っても、私を支え続けてくれると感じています。
もしこの記事を読んでいる人の中に、何かを辞めるべきか悩んでいる人がいたら、
自分の気持ちに正直になってみてください!
辞めることは終わりではなく、新たな一歩を踏み出すきっかけです!!
この記事が、少しでも誰かの背中を押せたら嬉しいです。
PS
高校野球だけじゃなくて、大学野球ってレベル高くて爽やかで面白いので東京六大学野球はもちろん、地方の大学リーグももっと注目されて欲しいです!!
以上全ての大学野球選手、全人類に幸あれ!読んでくださってありがとうございました!
先日初めて有料記事を購入して下さった方がいます。そのお金で大学野球部員にスイーツ買います!!(嘘です)