僕が広告営業マンを辞めて塾を始めた理由。

画像1


僕が子どもの頃、知人が不登校になった。


それは突然のことだった。何なら、まだそれが「不登校」ではなくて、「登校拒否」と呼ばれている頃の話だ。

でも、学校には行かないその彼が、塾にだけは毎週欠かさず通っていたので、不思議に思った僕は訊いた。

「なんで学校へは行かないのに塾へは行くの?」

彼は「え、何を今更当たり前のことを」みたいな感じで答えた。


「だって、塾のが楽しくてわかりやすいから」


驚いたと同時に、そうか、居場所を決める権利は子どもの僕らにもあるんだ、とそう思った。


時が流れて、就職活動というタイミングが僕にも訪れる。

心理学を学びながら、塾で働いていた大学生の僕は、塾に就職するか、臨床心理士になるために大学院に行くか迷っていたのだけれど、どちらの先生にも「一度社会に出た方がいい」と言われて、消去法でよく社会のことが覗けそうな求人広告を売る営業の仕事に就いた。

仕事はそれなりに楽しかった。色んな社長とも仲良くなって、ちょっとだけだけど世の中の仕組みもわかって、まぁそれなりに稼げた。

でも、ある時、仲の良かった社長に言われた。

「これが君のやりたい事?」

即答はできなかったけど、違うということだけはわかった。その時に思い出したんだ。


ああ、僕は誰かの居場所になれるような場所を創りたい。


子どもたちの、居場所になれるような、塾を創りたい。


勉強ができる子も、苦手な子も、ちゃんと成長できて、目標達成ができて、将来を生き抜く力が育つような。


楽しくて、でも厳しくて、知的好奇心が滅茶苦茶くすぐられるようなアイテムやお話に溢れていて、なんか安心して、大好きな。


「第二の家」みたいな塾を創りたい。


それが、僕が塾を始めた理由。


そこから少しある大手個別指導塾で修行をして、自分で塾を開いて、本当に素敵な生徒たちに巡り会えるまでのお話は、またいつか書こうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?