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小さい塾の始め方【「第二の家」HOME個別指導塾の場合】※開業前準備リスト付

「塾を開業する際に気を付けていたこと、準備でこれはしておいた方がいいと思うことはありますか?」

少し前に同業の方からこんな質問をいただいたので、自分なりに思うところを自分の考えの整理のためにも書いてみたいと思う。折角だから、全然稼働させていないNOTEを使ってみることにする。

一応自己紹介がてら各種SNSなど貼っておきます。「第二の家」HOME個別指導塾のマスコットキャラクター勉強犬と申します。


自分で塾を始めるまで(読み飛ばし可)


いつか塾を開くことが夢だった。

学生時代に塾講師のアルバイトをしていて楽しかったこと、自分も自分の家族も「塾」という場所に救われた経験があったことなんかがその夢の根底にはあったのだと思う。

大学時代は心理学を学んでいた。その時の先生に「塾の道に進むかカウンセラーになるか」という相談をしたら、「一回ちゃんと社会に出ておいた方が良い」と言われ、私は新卒で求人広告の会社に就職した。

そこで何年か働いた後、やっぱり塾がやりたくて、大手個別指導塾のフランチャイズに入社した。「いつかは独立したいです」と選考面接でなぜか堂々と言ってしまったことを覚えている。阿呆である。

塾のお仕事は楽しくて、のめり込んだ。実家とは違う全然知らないエリアが職場だったから、学校情報なども1から入れ直した。今だから言えるけど、教室に寝袋を持ち込んで、夜通し講師たちとああでもないこうでもないと語っていた。ワークラフバランスはワークワークワーク的な感じだった(よくわからない)。

教室に勝手に図書館を作ったり、座席表の作り方を勝手に変更して講師を混乱させたり、好き勝手自由気ままに教室長をやらせてもらったけれど、優秀な講師たちのおかげで教室の成績はすくすくと伸びていき、いつの間にか神奈川県で一番大きな教室の教室長になっていた。

好き勝手やるなら結果を出さないと、みたいな気持ちも何処かにあった。「あれやれ、これやれ」と言われるのがとにかく嫌いだったから、生徒数も講習も文句言われないように頑張った。

教室に入って来た時、元気ない子がいたら雑談をする。その流れで、話せるようなら今日あった嫌なことを聞く。吐き出すだけでも人は少し元気になれる。重い話なら面談席でじっくり聞く。

授業中は教室を巡る。講師たちの教え方や生徒の様子を目や耳を使って観察する。何か気になる点があったら声を掛ける。面談席に呼ぶこともある。楽しいけれど、ちゃんと成長できる空間にしたかったから、そうじゃない時は場を引き締めるためにもきっちり怒った。必要な時はプリント印刷おじさん(お兄さん)になった。

教室の掲示物は1ヶ月ごとに変えて、講師たちの紹介や教室の凄さをさりげなくアピールする。月のお手紙で自分や教室の考えを何度も繰り返し伝える。一度じゃ何も伝わらないと思った方がいい。その頃はあまり流行っていなかったメルマガも導入した。近隣のお店に顔を出してチラシを置いてもらう。友人紹介や家族紹介しやすい仕掛けを作る。校門前は「自分達の価値が下がる」と思っていたからやらなかった。

授業が「生徒が成長できる内容になっているか」講師たちと真剣に何度も話し合う。必要なら教材を作る。自分も勉強する。終わりはない。その繰り返しだ。

その後、神奈川の教室を管轄する役職にもついた。講師や教室長たちに気持ちよく働いてもらいたいと、微力ながら応援をした。

そんなお仕事も楽しかったけれど、何より楽しいのはやっぱり生徒たちとのコミュニケーションの時間だった。もちろん、ただ面白い話をするんじゃなくて、成績向上や学力アップ、目標達成のためのコミュニケーションだ。ただ、生徒数が増えれば増えるほど、それを全員にやる事が難しくなってきた。

「自分の見れる範囲で、自分が良いと思ったものを、本当に頑張りたい子に提供したい」。そんな気持ちが大きくなってきて、独立を真剣に考え始めた。

やるなら小さな塾がいい。可能なら、家でやりたい。そんな考えを持ちながら、僕は開業のための準備を始めた。


開業準備〜今まで


先に言っておくと、「準備を始めた」なんて偉そうに言ったけれど、その頃は開業準備と言ってもピンと来なくて、「物件探し」ぐらいしか思いついていなかった。せっせと塾ができる家を探してサイト巡りしていた。「物件ファン」はめっちゃ見た。結局知り合いの不動産屋さんに紹介してもらった中古の一軒家に決めた。内装のリフォームがいらないくらい、本棚や設備も充実していた。

教室の朝。

エリアは「なんとなく藤沢」としか考えてなくて、当初の予定とは別の地域での開業となった。家メインで決めたから、ちょっと辺鄙なところになってしまった。これはうちを見つけてくれる優秀な生徒や保護者の方々がいなかったら悪手になっていたかもしれない。そのぐらいの雑な準備だった。

あ、開業準備ということであれば忘れてはならないことを思い出した。それは在籍していた会社へあまり迷惑をかけないことである。自分としては、辞める一年前から話を出して、無理なく引き継ぎできたと思う。

他にファインプレイを挙げるとしたら、開業準備としてのブログの効果は絶大だった。なお、これはそもそも独立のためにやっていたわけではなくて、当時流行りに乗っかってTwitterやブログをやり始めた頃に本部の人に「(大手個別指導塾)の名前を出すのはちょっと…」とやんわり注意されたので、勉強犬という偽名を使って発信を始めたのだった。今思えば感謝である。名もなき(本当はある)本部の人。

ブログは毎日書いた。文章を書くのは好きだったけれど、別に特段上手に書けるわけでもないしすごい情報をバンバン載せられるわけでもないので、下手は下手なりにとにかく毎日続けようと心に決めた。それしか思いつかなかった。SEOとかは考えてなかった。

どこでブログを書こうかなと悩んだ時に、「なんかオシャレなのがいいな」と見つけたのがアメーバオウンドだった。アメブロのおしゃれ版みたいなやつだ。最初は無料で初めて、途中から有料に切り替えた。でも最近はスマホで更新できなくなったりと改悪が続いているからオススメはしない。新規でブログを書くというなら、今うちのHPでも使っているワードプレスが無難かなと思う。

ブログの記事を書く際には「誰に何をどうやって伝えるか」を意識した。これは求人広告営業マン時代の知識が活きた。受験情報や過去問解説、単元の解説などの記事のPV数が伸びて、多い時には1日4万PVまでいった。

ちなみに、この考えに効果があったかどうかはわからないけれど、作成するプリントは「インパクト」と「わかりやすさ」にこだわった。なるべく情報が一枚にまとまるよう心掛けた。うちのブログでPV数を稼いでくれているグッジョブプリント達を以下にいくつか載せておきたい。

毎年作成している高校一覧図。
これもプチバズりした学習系統図シリーズ。
社会歴史プリント。
理科生物プリント。


コツコツ続けて、もちろん今もこのブログはうちの集客の生命線である。おかげで、チラシはまだ一枚も撒いていない。一応いくつか作ったのだけれど。

第一弾は「目標編」。
第四弾は「メッセージ編」。


現状当塾は4年目、有難いことに満席が続いていて、予約制度を設けている状態である。辺鄙なところにある小さな塾を見つけてくれた皆々様には心からの感謝しかない。本当にありがとうございます。

さて、ここからやっと本題である。冒頭の質問に答えていきたい。

「塾を開業する際に気を付けていたこと、準備でこれはしておいた方がいいと思うことはありますか?」


それらを踏まえてこれから独立したい人に伝えたいこと


開業する際に気を付けていたこと、準備でこれはしておいた方がいいと思うことは、併せてお伝えするとすれば2点だ。

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