司書と授業を②
1 はじめに
前回は,学習における学校図書館の利用を進めるためについてまとめました。
今回は,どのように授業を構想できるかを実践とともにお伝えできればと思います。
学校図書館には,本を読むための「読書センター」の機能だけをイメージされがちですが,「学習センター」「情報センター」という役割もあります。
学習するための場所でもあり,情報を集めるための場所でもあるのです。
その点も理解して学校図書館を学校教育の中に位置づける必要があります。
2 探求学習の場として活用する
探求学習で図書室を積極的に使うべきです。
探求学習のみならず,国語科の学習においては読書教材の紹介や,関連図書,貸し出しを行うために事あるごとに図書室で授業を行います。
こんなことを言うと,
図書資料は時間がかかりすぎる
そもそも図書資料の数が少なすぎる
図書資料を探したり確認に時間がかかりすぎる
といって敬遠されやすいのは前回と同様。
私も経験があります。
ただ,総合や特別活動,教科などのありとあらゆる場面で学校図書館を使うこと。
それは子どもにとって図書館を身近で日常的なものに感じさせるのには不可欠です。
前回お話したことを意識しながら,ぜひ学校図書館に足を向けてほしいと思います。
3 インターネットと図書資料の違いを子どもに理解させる
子どもたちは,探求学習に臨もうとするとインターネットに頼りがちです。
もちろん,インターネットはすごく便利です。
速いです。
手広く情報を見ることができます。
ですが,情報の質や,詳しく掘り下げて憩おうと思ったときに本に勝ることはありません。
子どもたちはその感覚を持ち合わせていません。
インターネットの良いところを押さえながらも書籍の価値を感じさせる指導が必要になります。
具体的には
資料の不明確さを指摘する
出典に当たらせる
インターネット上の間違った情報に気付かせる
などです。
どうしても,インターネットは日常的に触れているその手軽さと便利さから探求の中心になりがちです。
探求の第一歩となっても,深い学びには図書資料を扱いましょう。
4 おわりに
授業の中で積極的に図書資料を取り扱う。
書籍の価値を感じさせる。
そのことは,生涯学習につながったり良い読み手を育てることにもなります。
ぜひ,学校教育の中に学校図書館を積極的に取り入れていきましょう。
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