気まぐれなアメリカのデザイントレンド解説:日本とアメリカのグラフィックデザイン比較
実は日本の友人、元同期や会社関係の人と定期的に連絡を取ることが多くて、2週間に1回は日本の誰かと喋っている。
その中で、先週、久々に前職の大先輩から連絡をいただいてしまった。シニアクリエイティブディレクターなので先輩というには畏れ多いほどの人で、社内では雲の上のさらに上の人。
一緒に仕事をしたことがないけれども、留学前に「アメリカでデザインの仕事をする上で何が一番大事ですか?」と話を聞きに突撃したことから、数ヶ月に1回Zoomをしたりするようになった。
明らかに1年前よりもデザインの知識は増えたものの、前職が広告代理店だったこともあり、いまだに「自分はデザインが好きで、デザイナーになりたいと思っている」というシンプルな話を、前職関係の人にするのが躊躇われる時がある。それでもその殻を破らないでどうするんだ!と勇気を出して、自分の現状のポートフォリオを見てもらったり、学校で作ったものにアドバイスをいただいたりするようになった。
色々話を聞く中で、最近面白いなと思ったのは、日本とアメリカのデザインの組み方で大事にしているポイントの共通点と違いだ。
全世界的にデザインをする上で大事だと思われること
・適切なフォント選択
そのフォントには、どういう意味が込められていて、どういう用途で使うと効果が発揮されるのか。
中学生の頃からかわいいフォントをダウンロードしてはメールに使っていたぐらいだったけれども、フォント1つ1つに歴史があって、組み込まれるデザインによっては不適切な場合とそうでない場合があることは学びだった。
・文字組みやレイアウトの配置の仕方:
ページ全体を「グリッド」と呼ばれる大きめのマス目で区切り、それぞれを画像や文章で配置していくことで、レイアウト全体を整えることは、日本でも海外でも必須条件。このマス目を無視して配置すると、中途半端になってしまい、デザインを見る側がどういう流れで読み解けばいいのか分かりづらくなってしまう。
日本とアメリカで明らかなデザインの違い
・スペースの取り方
日本は、とにかく小さく、細かい。小さいスペースに細かく色々な要素が含まれている。文字も詰まっていて、細部の工夫がなされているレイアウトが多い。これは言語上、文字を縦組みにすることが多いから、スペースを活用しやすいのかもしれない。
逆にアメリカで授業を受けていて特に言われるのは、「とにかくスペースを取る」こと。空白をあえて作ることで読み手の目の動きを意識し、とにかくストレスなく記事を読んだり、レイアウトを見て、理解してもらうことを心がけるように、と言われる。ゆえに、スペースを大胆に開けたりするレイアウトが多い。
・フォントの大きさ
日本だとさりげなさ、繊細な美しさが重視されているように思う。逆に、アメリカは大きくてダイナミックなフォントをばーん!とレイアウト全面に押し出すことが多い。
すごく変な例えかもしれないけれども、小さい部屋をいかにこだわってレイアウトをするかを重視する日本の家と、大きめの部屋に大胆に家具を配置するレイアウトが多いアメリカの部屋の違いと似ているところがあったりするのかなと思ったり、思わなかったり。
ちなみに英語では、Fontフォントはサイズ、スタイルの両方セットになったものを指し、Typefaceはスタイルのみを指す。(知らなかった…。)
日本のデザインの最前線で働く先輩の話は、すごく勉強になるし、「ああプロと言えるようになるまで、まだまだ先が遠いなあ」と圧倒されることも多い。もちろん、上に挙げている点以外にも気をつけないといけないところはたくさんあるし、学べば学ぶほどいろんなことに気づくようになる。
来学期の授業を決めるタイミングで、予算を考えて、授業数を減らしてフルタイムではなくパートタイムの学生になろう当初は思っていたけれども、まだまだ自分に課題が多いので、残りの学生生活についてはお財布と自分の心と相談したいと思います。
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