VATER症候群(VACTERL連合)
最愛の娘が診断されたのは、数万人に1人の難病でした。
娘は、令和6年に産声をあげました。
その3か月ほど前、超音波検査で異常が見つかりました。
VATER症候群(VACTERL連合)とは
VATER症候群(ばーたーしょうこうぐん)、VACTERL連合(ばくたーるれんごう)とは、V=椎体(ついたい)の異常、A=肛門の形態異常、TE=気管食道瘻(ろう)、R=橈骨(とうこつ)の奇形や腎の形態異常という徴候の頭文字の組み合わせで命名されています。必ずしも全ての症状があるわけではありませんが、これらの症状の多くをもつことを特徴としています。
この5つに加えて、C=心奇形、L=四肢奇形が合併する事もあり、この場合、VACTERL連合とも呼ばれます。娘は心臓や手に一部異常が見つかったため、VACTERL連合といえます。
私の娘には、産まれる前から以下のことが懸念されていました。
・尺骨(しゃっこつ)がない
・橈骨(とうこつ)がない
※肘から手までに伸びる太い骨を尺骨と橈骨といいます
・食道閉鎖(食道と胃がつながっていない)
・鎖肛(さこう。肛門が閉じてしまっていること)
・手の指が5本はない(左手が2本だろう)
・腎臓の機能が弱いかもしれない(後日、腎臓は大丈夫そうと言われました)
現実を受け止めるには、少し時間がかかりました。
有るものに目を向ける
異常を知らされた日、妻と私の気分はもちろん晴れません。
けれど、少しでも気分を変えようと、飼い猫の定期検診に行きました。
その帰りでした。冬の冷たい風にあたりながら、こらえきれなくなった涙がこぼれだしました。
なぜ、娘がそうなったのだろう。
娘の人生はどうなるのだろう。
実際に産まれて、医師の診断はほとんどあっていました。
出生前診断の正確性は約50%だそうです。担当してもらった医師は、腕がよかったのだと思います。
娘には、指が5本はありません。
尺骨も橈骨もないため、肘から手にかけてあきらかに短いです。
けれど、有るものに目を向けると、よかったと思えることがあります。
足がある、
目がある、
耳がある、
口がある。
多少の不便さは感じるかもしれない。
けれど、人生をしっかり進んでいくことができるだろうと思えました。
ますますできることが増えていく過程
今後、娘は何度も手術する予定です。
曲がっている手首をまっすぐにしたり、上顎と下顎がそろわないのを治したり、たくさんあるでしょう。
けれど、既に実施予定だった手術2つが中止になっています。内服薬が効いたり、自然に治ったりしたためです。
親バカかもしれませんが、娘の自然治癒力は侮れないです。
できることが、どんどん増えていくことでしょう。
同じような境遇の方の、希望となれば嬉しいです。
※X(旧 Twitter)もしています
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?