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VATER症候群 娘が生まれた翌日のこと

皆さんこんにちは。
難病の娘と歩む父です。

余談ですが、「太った」と複数人の人に言われました。
その通りなんです。体重、増えました(筋トレの成果なのか体脂肪率は少しずつ落ちているけれど。だからよくわかんない)。

なんでこんな話をしたか。
今の私は、やはり体力を使ったり、知らず知らずのうちにストレスをためたりしているだろうと思うためです。

娘の病気を考えない日は、1日たりともありません。
それが、難病が発覚してから生まれて以降ずっとなのだから、もう相当経ちました。
妻と支えあいながら一緒に歩んでいます。きっと、妻も体力つかっています。

余談が長くなりました。
体力を使ったことの1つが、生まれた翌日の娘の手術です。

生まれた翌日、1回目の手術へ

娘が生まれた当日、手術の説明を受けました。
娘が生まれる前の検査で、難病である「VATER症候群・VACTERL連合」であることはわかっていたためです。

※VATER症候群(ばーたーしょうこうぐん)・VACTERL連合(ばくたーるれんごう)とは…
V=椎体(ついたい)の異常、A=肛門の形態異常、TE=気管食道瘻(ろう)、R=橈骨(とうこつ)の奇形や腎の形態異常という徴候の頭文字の組み合わせで命名されています。必ずしも全ての症状があるわけではありませんが、これらの症状の多くをもつことを特徴としています。
この5つに加えて、C=心臓の奇形、L=四肢の奇形が合併する事もあり、この場合、VACTERL連合とも呼ばれます。娘は心臓や手に一部異常が見つかったため、VACTERL連合といえます。

生まれた当日のことは、こちらのnoteが参考になれば幸いです。

朝9時、病院へつきました。
本当は10時につければよいのですが、万が一を考えて早め早めに動きました。

同様のことを迎えるお父さん・お母さん、
体力結構使います。休みながら向き合っていきましょう。
私はその2日後に鍼灸院に行くのですが、鍼灸師から「相当疲労がたまっていますね」と言われました。うん、正解です。

午前10時、病室へ向かいます。
NICU(子供がいる新生児特定集中治療室)の面会可能時間が10時からのためです。

車椅子に乗る妻と合流し、医師の下へ行きます(妻は、出産翌日でまだ回復しきっていないため歩けないです)。
以下のような話を受けました。

・今日の手術の3番目。だから、2番目の手術の前後で時間がずれる。目安は、13時ごろのスタート。
・お父さんは手術控え場所で待機。何が起こるかわからないから。同意書を書くことがあるかもしれない。

娘が受ける手術は、食道閉鎖を治す手術です。
食道閉鎖とは、食道と胃がつながっていない状態のことです。

食道閉鎖で食べ物が食べられない状態のため、食道と胃をつなぐ手術をします。
それが1度では無理そうならば栄養を直接胃にいれる「胃ろう」を作る必要があります(栄養を通すチューブを入れるための、穴のようなものです)。

命の危険性がある手術ではないそうです。その点は安心しました。
ただ、生まれて翌日の娘が手術を受けるのは、複雑な思いもありました。

手術開始

娘の手術が始まりました。午後2時ごろです。
前の手術が押したのでしょう、少し遅れてのスタートです。

そこからは、ひたすら待ちます。
他にもまつ人たちがたくさんいます。ほとんどの方がスマホを使っています。

私も、数時間の待機を覚悟して準備しました。本、パソコン、スマホです。
思い切って、パソコンで仕事もしました。明日以降の自分の負担を落とすためです。

ただ、意外と自分が落ち着いていることに気づきました。
手術を担当するのは、50代くらいのベテラン外科医。大きな大学病院も経験し、今に至っています。「大丈夫だろう」、そう思っていました。

待つこと5時間、午後7時。
私以外ほとんど手術控え場所で待つ人がいない中、その外科医が来ました。妻も呼ばれました。

食道閉鎖の手術が、今日には完了しない。
なぜなら、食道がこれまでほとんど見たことがないくらい短く、無理やり胃とつなぐと切れてしまう可能性があるため。
だから、食道を胸あたりまで伸ばし、今回は終了。段階的に伸ばしていき、そして最後には胃とつなぐ。
だから、「胃ろう」も作る(栄養を通すチューブを入れるための、穴のようなもの)

そのため、同意書を再度書いてほしい。

「何が起こるかわからないから。同意書を書くことがあるかもしれない。」
こういうことがあるためなんだと思いました。

同意書にサインをしました。そして、手術再開のため外科医は手術に戻りました。
私は、引き続き待機です。

1回目の手術が終わる

午後10時、手術が終わりました。
私は娘との面会が許されたため、NICUに入りました(通常は午後9時まで)

手術に耐えた娘の頭をなで、全身を見ました。
鼻や口からチューブが入り、足には点滴の管。へそのあたりには、胃ろうがついていました。といっても穴が見えるわけではなく、チューブがあり、そしてへそあたりはガーゼが四角く束ねられたようなものがついていました。

今日では解決しなかった食道閉鎖を今後どのようなスケジュールで治していくのか、他の箇所はどうするのか、
それはまた後日の相談です。

午後11時、病院を後にしました。
タクシーを見つけ、乗り込みました。ちなみに、翌日は仕事です。決算月で多忙になりがちな時期だから、そりゃそうだけれど。

手術を終え、ゆっくり眠る娘。
その顔を目にやきつけ、家路につきました。





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