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呪いも愛も連鎖する 映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」感想と水木しげるロード(境港)のすゝめ
※ネタバレを含みます
原作:水木しげる 監督:古賀豪 脚本:吉野弘幸 音楽:川井憲次 キャラクターデザイン:谷田部透湖 声の出演:関俊彦、木内秀信、種﨑敦美、小林由美子、古川登志夫、沢城みゆき、庄司宇芽香、野沢雅子、石田彰 ほか
緩急のすさまじいストーリー展開からの結末(そして鬼太郎の物語へ…)に観終わったあとしばらく放心してしまった。鬼太郎お前、こんなにも望まれ愛されながら生まれてきたんだな…
この作品の魅力はなんといっても1人1人のキャラクターに尽きる。特に鬼太郎の父(のちの目玉おやじ)と、兵隊上がりのサラリーマンである水木が出会い接しながらともに禍に立ち向かう、その過程で垣間見えるふたりの素顔や水木自体の変化、関係性の変化、悲喜交々が、結末に向かって収束していく様が切なくて、全体を通して喜怒哀楽をがっつんがっつん斧で殴り揺さぶられる感覚を味わった。そりゃ放心もする。
アニメや漫画は大好きだけどキャラクターそのものに沼るという経験が圧倒的に少ない人生だった(だから「性癖にぶっ刺さる」という感覚もあまりなかった)のだけど、こと鬼太郎父に関しては違った。
長身細身大男の着流しに八重歯といったビジュアルだけでなく、お風呂好き(目玉おやじだもんね…)、酒飲みからの泣き上戸、泣き虫、喫煙、キレると怖い、子どもに優しい(小学生くらい?の時弥を初対面で「ときちゃん」っていうところ)、物理パワー系ゴリラ(幽霊族って念能力でいったら放出系とか特質系のイメージだった)からのアクションシーン、長髪、すぐ捕縛される、クリームソーダ、愛妻家など枚挙に暇がないんだけどどうしたら…?
「我が子が生まれるこの世界を、この目で見てみとうなった」は2023年で一番ぶっ刺さった台詞だし(深い)もうこの言葉だけでベスト・ファーザー賞が贈られるべきだと思いました。
・糸目の石田彰こと長田、愛なき家族とはいえ庚子や時哉との家族の絡みがもう少し見たかった
・戦後高度経済成長期における「24時間働けますか」な世の中で、重ね重ね水木はゲゲと出会えて良かった。野心から龍賀一族に関わったことで企業戦士どころじゃなく人間として終わるところだった
・パンフレットを見るとかなり多くの妖怪が登場していたようなのでもう一度見返したい
・孝三のスケッチについて頭に入らなかったので次観るときには考えたい
・山田って作品を通じてああいう役回りなのか
・ある謎の少年の活躍w
・ラスボスの己の欲望を満たすがための在り方や万能感はほんっっっとに胸糞悪い。人間の業がもたらす呪いの強さたるや
・鬼太郎6期14話に若き親父が登場するらしいので観る(ただのメモ)
この作品は完全オリジナルなので原作を追いにいくこともできず、ファンアートに悶えながら反芻する日々なんですが、もう1回といわずあと数回は劇場で観てもっと深追いしたいと思いました。目玉おやじを見る目がぐるんと変わる新体験ができるので、気になっている方はぜひ観てほしい。
構成としては戦後の因習村ホラーサスペンスなんだけど、己のために弱きから搾取すれば良いという人間の強欲さが生み出した胸糞悪い慣習につよつよな成人男性バディが立ち向かうという展開と愛の物語に胸が打たれる。。そしてなんといってもキャラクターの魅力…八重歯で泣き上戸で愛妻家で物理攻撃…
— アンドウ|ライター (@holiday_cloudy) December 2, 2023
👻
小さい頃に観ていた「悪魔くん」「ゲゲゲの鬼太郎(あれは何期だったんだろう)」のほんのりした記憶、大学生のときに読んだ水木氏のエッセイを除けば、私の水木しげる入門は大人になってからの仕事がきっかけだった。氏による『日本妖怪大全』なる資料を読んだことを皮切りに、その後また別の仕事で境港の水木しげるロードに訪れたりと、「妖怪」を接点にゆるく接していた。だから「鬼太郎」にはもちろん親しみを持ちつつもそこまで深追いせず、生まれたときからただそこに在る概念だった。
そんな折、ゲゲゲ忌、水木しげる生誕100周年。令和に生まれた新しい「悪魔くん」(Netflix)とこの「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(映画)は以前から楽しみにしていたし想像以上の面白さで作品にふれられた幸せを感じた。これは鬼太郎(6期)も履修しなくちゃだな。
妖怪だらけで楽しい鳥取県境港市・水木しげるロード
この機に、2022年9月に行って楽しかった水木しげるロードの思い出も載せておく。
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水木しげるロードには記念館や妖怪神社、河童の泉など妖怪にまつわるあれこれがそこいらにあって、キョロキョロしているだけで面白いです。
ゲ謎ファンにおすすめしたいのは酒屋で買える限定ラベルの酒瓶。あのシーンの再現にどうぞ!(私もやりたい)冬休みの旅行先に、境港でのゲゲゲ聖地巡礼いかがですか?
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