ほっかいどう暮らし60 せたな町 海鮮カレー
ご近所に住む飲み友達のコーイチさん(40代後半)は大の競馬好きです。
と言ってもあまり当たりません
と言うかほとんど当たりません
むしろ全然当たりません
(僕の知る限り、少なくても「重賞」23連敗中…)
とある日曜日の夕方、コーイチさんから近所のおじさん達にメッセージが入りました。
「どうにもこうにも競馬が当たらない。相談に乗ってくれ」
賭け事をほとんどしない僕にとっては「競馬の相談されてもなぁ」と思いながらも、実際に会って話を聞いてみると
コーイチさん 「今の俺にとって一番必要なものは
と言い放つ。これにはさすがに他のおじさん達から「はぁぁ?神頼みかよ!」「いっそやめちまえ!!」などと散々に言われていました。
僕としてはちょっとだけ気の毒に思い
「パワースポットとして強力かどうかは知らないけど、せたな町に『参拝するのがとても大変な神社』があるらしいよ」
と言ったら
…と言うことで次の土曜日、コーイチさんと2人でせたな町へ。
向かったのは「日本一危険な神社」として度々テレビや雑誌で取り上げられる
太田山神社
鳥居の前に立ってまず目に飛び込んできたのは、壁のように見える急勾配の石段、139段!
しかも一段一段の幅が狭いので、ロープか手すりにつかまらないと怖くて登れません。
御利益を信じ懸命に登るコーイチさん
しかし、石段を登り切ってからが本当の試練の始まりでした。
足場の悪い急な斜面をロープを伝って登っていくのですが、これがかなりキツイ。しかも普段は近くのコンビニさえも車に乗って行くコーイチさんにとっては相当厳しい様子。上から何度も励まし励まし
(いやいや、そこは「ファイト!」「いっぱーつ!!」でしょう)
何度も休憩をとり、約1時間ほどかけてなんとか登りました。
坂を登り切ると、そこに待っていたのは
深い谷の上に掛けられた「錆びた鉄の橋」。幅1m、長さ16m、高い所が苦手な僕にとってはかなりの恐怖です。(しかも滑る)
橋を渡った先にやっと本殿がある岩穴があるのですが、ここで最後の難関が
鉄の鎖を使って垂直の壁を7mほどよじ登らなければなりません。命綱なんて当然あるはずもなく…折れそうになる心…。
しかしせっかくここまで苦労して登って来たのですから、どうしても本殿に辿り着きたい! 先に登る僕、後に続くコーイチさん
昔「海猿」とかで観たやつ。まさか自分がこんな状況に置かれるとは…。
それでも必死によじ登り、たどり着いた岩穴には
本殿がありました。しっかりとお参りをしてふと外を見ると、遠く奥尻島を望む絶景が広がっていました。
しばし見とれていたのですが、2人とも写真を撮ることすら忘れていました。何故かというと
降りる事に気を取られていたから…。
降りる道程にも相当な困難があった事はお察しください。
やっとこさ最初の鳥居のところまで降り、車に戻ってからコーイチさんに「お昼ご飯どーする?」と聞いたら
「お腹空いてるけど、食欲がない」
とのこと。その気持ちわかります。間違いなくお腹は空いているのですが、何を食べようか考える気力もありません。
そこで珍しく2人の意見が一致
と言うことで向かいましたのは北檜山区にあります
みつわ食堂さん
せたな町では町内の飲食店5店が参加して、地元食材を使った
「せたなカレー」を提供してるのだそうです。
せっかくなので「食べてみようよ」と注文したのが
「せたな海鮮カレー」
大きな揚げたてホタテフライが2つ。甘みのあるホタテにカレーをまとったサクサクの衣、堪りません!
ルーの中にもイカやホタテの稚貝が。ルーにも海鮮の旨味が出ていて、美味い!!
カレーって不思議ですね。どんなに疲れていても美味しく食べられて、食べたら元気になる。2人とも美味しく完食し、また4時間かけて家に帰りました。
さて困難を乗り越えて参拝を果たしたコーイチさん、その後競馬が当たるようになったかと言えばそんなことは無いのですが
おおっ、器が大きくなっている!御利益あったか!?
おしまい
(実際にはマスクの着用、黙食などには気を使っております)