ほっかいどう暮らし172 岩見沢市 バターラーメン
最近サブスクで80年代のJ-POPやシティポップをよく聴いています。
懐かしい曲を聴いていると、今ではあまり耳にしない言葉がいくつか出てきたりします。その一つが
『はにかむ』
「はにかんだ君の横顔」とか「はにかんだ笑顔がまぶしい」なんて歌詞が心地よく響き,その情景が目に浮かびます。
先日の週末の夜、ご近所の飲み友達のコーイチさん(50代初め)と僕、それからうちの妻の3人でお酒を飲んでいた時のこと。
僕が「近頃『はにかむ』なんて言葉を聞かないねぇ」と話題にしたら
コーイチさん 「『はにかむ』ってどういう意味だっけ?」
僕 「ん〜、恥ずかしそうに微笑んだり、うつむいたりするって感じかな」
コーイチさん 「じゃあそれは、『はにかんでいる』人や状況が周りにないからじゃないか?」
そこで妻が
「私もずいぶん長いこと『はにかんだ』事ないわ。たまに苦笑いかな」
と言ったら
コーイチさん 「まぁ、確かにおばさんがはにかんでも怖いだけで
酔っているとは言え、なぜそんな事を言うかなぁ...。
それでもさすがにマズイと思ったのか、家に帰った後コーイチさんから
「冗談のつもりだったが、ちょっと言い過ぎた。『今度この埋め合わせはしますから』
と、僕の携帯にメッセージが届きました。「直接自分で言えばいいのに」と思いましたが、仕方がないのでその旨を妻に伝えたところ
妻 「いつものことだから気にしてはいないけど...せっかくそう言うなら『おいしいワインとツマミで手を打とう』
な、なぜ僕が伝言役を...。
その日はもう遅かったので、翌日の夕方コーイチさんとお酒を飲んでいる時に妻のメッセージを伝えたら
「う~む...おいしいワインねぇ...」
と悩むコーイチさん。
そこでふと思い出したのが、先日の朝刊に載っていた記事
『岩見沢市の宝水ワイナリーが製造したロゼワインが、国際ワインコンクールで最高賞を受賞した』というもの。
そう言えばコーイチさんは岩見沢市の出身。受賞したワインを買ってきて「昔から馴染のワイナリーでさぁ」なんて渡したら、ちょっとかっこいい。ひょとしたら挽回のチャンスかも。
なんて話をしたら、コーイチさん
「ほぉぉ、いいねぇ~。じゃあ
はぁ?1人で行きなさいよっ!!
と言ったのですが
「俺が岩見沢に住んでいたのは、高校を卒業するまでだっ」「ワイナリーなんて知ってるわけないだろっ!」
などと強く主張され、結局僕も付き合うことに...。
翌日の日曜日の朝9時に出発。1時間半ほどで
岩見沢市へ。
まず伺いましたのは
宝水ワイナリーさん
とてもきれいな風景が広がるワイナリーで
大泉洋さん主演の映画『ぶどうのなみだ』のロケ地にもなったそうです。
こちらで、ワインコンクール最高賞を受賞した
ロゼワイン「オレンジピンク2019」を購入しました。
次にツマミを求め、岩見沢市内へ。
コーイチさんが「うまい燻製屋があるから」と言うので向かいましたのは
市川燻製屋本舗さん
「営業中」と書いてあるので、車を駐めてお店に入ろうとしたら
閉まっているっ!
ホームページで確認したところ、日曜は定休日らしい...。
「ツマミにはならないけど、岩見沢では有名なまんじゅう屋があるわ。お土産に買って行こうぜ」とコーイチさんが言うので駅前に移動。
伺いましたのは昭和29年創業という老舗和菓子店「天狗まんじゅう本舗」さん
定休日っ!
「まぁ、せっかく駅前まで来たしコーヒーでもご馳走するわ。俺が子供のころよく親に連れて来てもらった喫茶店があるから」
と言うので、歩いて向かいましたのは昭和39年開業の『喫茶にれ』さん。昭和の香り漂う純喫茶なのだそうで、これはぜひ行ってみたい。
定休日っ!
「行くところ行くところ、全部休みじゃないかっ!」と僕が文句を言ったら
コーイチさん 「ん~、店が閉まっているのは、別に
いや、確かにそうだけど...。
そんな事をしているうちにお昼になり、「ラーメンでも食べに行こうぜ」と言うコーイチさん。
「山岡家は年中無休だから絶対やってるっ」と言われましたが、「せっかく岩見沢まで来たんだからチェーン店じゃない店に連れて行けっ!」と却下。
そこで伺いましたのは
ラーメン専門店らい久 さん
「味の幸福を売る店」と「バターラーメン」の文字が目を引きます。普段はあまりラーメンにバターを入れませんが、これは食べてみたいっ。
お店に入ってさっそく「バターラーメン」を注文。「味はどうしますか?」「野菜入れますか?」とお店の方に聞かれ、僕は「正油の野菜なし」コーイチさんは「みそラーメン特大」を頼みました。
やはり人気のお店のようで、次々にお客さんが入ってきます。
壁に掛かった「来店した有名人の写真」を見ながら待つこと15分、やってまいりました
バターラーメン(正油)
スープはシンプルで優しい味。たぶんずっと変わらない味なんだろうなぁ。どこか懐かしくホッとします
バターの溶けたところは、一気に風味が広がります。コクが出てさらにおいしいです。
麺は中太ちぢれ麺。スープがよく絡んで食べやすい
大きなチャーシューが3枚。こちらも昔ながらのチャーシューの味。
ふと気がつくと「普通盛り」のラーメンを頼んだはずが、やたらと麺が多い。
どうやら「普通盛り」の他に「特大(2玉)」と「特製(3玉)」があるのではなく、「特大」と「特製」の2択らしい。何も言わないと「2玉」が出てくるのだそう。確かに看板にも「ボリューム万点」って書いてありました。
バターとスープを吸った麩がうまいっ!
ごちそうさまでした。バターの溶けたおいしいスープ、飲み干そうと思いましたがお腹いっぱいです。
その後、帰り道にある安平町の道の駅に寄ってワインのツマミ用にと
特産のチーズと
コーイチさんの強い希望で「チーズ羊羹」を買って帰りました。
その日の夜。
コーイチさんが、買ってきたワインを
「俺の地元の馴染のワイナリーで買ってきた。まぁ飲んでくれたまえ」
と言ってうちの妻に渡していました。
ワイン好きの妻は大変に喜んで、さっそく一口飲むと
「まぁぁぁ、おいしい~。こんなおいしいワインを作っているワイナリーが馴染だなんて、コーイチさんってかっこいいねぇ」
それを聞いたコーイチさん
「...かっこいいだなんて...
いやいや、コーイチさん。おじさんがはにかんでもやっぱり...
かわいくないからっっっ!!
おしまい
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