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昆布はどこからどこへ行く①利尻昆布
こんにちは!
ほかいどーでは昆布の季節を迎えています。
北のてっぺんエリアでとれる利尻昆布は、すっきりした味わいがウリです。
北海道の最北端の礼文島です。漁に出る船が見えますね?
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水揚げした昆布を天日で乾燥させます。大昔からの営みです。干場の石はゴロゴロしていますね。昆布に砂などがくっつかないようにです。
海の向こうに見える山は利尻富士。礼文の南東の利尻島です。
では海を渡って利尻に行ってみましょう!
今朝の、利尻島の天然の昆布干しの様子です。
漁師の柴田さんに写真をいただきました。
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すっごーーい!!
昆布の上のカバーは、網です。これで、昆布が平らに干せます。
生産者によっても産地によっても、受け継がれてきた工夫があります。
すごい量に思えたのですが、
柴田さんによると、少なかったとのこと。(!)
「地元だけじゃねじる昆布がなくなったな!」
って何ですか?
👉柴田さんの親切な解説です(写真つき)。
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「昆布を採る道具をネジリマッカといいます。
マッカの部分を昆布の根に差し入れ、ウダ(回す部分)を回して昆布をねじりとります。
ここでは、回すことをねじるっていいます」by柴田さん。
二股に分かれたのがマッカ。ウダは緑色の部分。
はずせるようになっていて、まっすぐな部分で長さを出すのですね。
腕や背中の筋力、半端ない・・・・。
利尻昆布は、北のてっぺんの稚内、東に下って雄武、紋別でもとれますが、今や量は少ないのです。
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(日本昆布協会HPより)
この利尻昆布は、江戸時代から本州へと運ばれて、とりわけ京都で人気者になりました。
運んだのは北前船(きたまえぶね)です。
日本海の港に寄港して積み込んだ商品を売り、その土地のいいものを仕入れながら大阪を出発点にし、瀬戸内海を通り、日本海を北上して蝦夷地までやってきました。
蝦夷地から本州へ運ばれた3大いいものは、昆布、塩鮭、そして肥料にするにしん粕でした。(このにしん粕で、木綿の生産が飛躍的に伸びたのです)
利尻昆布が京都で人気が出たのは、京都の野菜を使った料理にぴったりだったからです。
京都には京都オリジナルな野菜もあるうえに、近隣からも都会で消費地である京都へいろいろな野菜が持ち込まれ、野菜料理が生まれていきました。
その中で、利尻昆布のすっきりとした印象の出汁が、湯豆腐や野菜料理に合い、京都の人たちの好みにぴったりきたのです。
昆布の味の特徴はこちらへ。
スーパーに並ぶ昆布に名前がついていても、全部同じ感じがしませんか?
わたしは、そうでした。
食べる昆布で出汁をとって、「これはわたしが知ってる昆布出汁と違う・・・・・どうして・・・・」と、
愕然としたこともあります。
どさんこなのにぃーーー。
家にはたーくさんのもらった昆布があったのにーーーー。
毎日、昆布といりこ出汁のお味噌汁食べてたのにー。
そんながっかり体験をしないで、昆布を楽しんでほしいです。
なので、それぞれの昆布がどこからどこへ行ったのか、
どんな料理に使われてきたか、お話を続けようと思います。
良かったら、こちらも併せてどうぞ。
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