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ローマの思い出は、ブロッコリの蒸し煮
ずーっと前の4月。初めてローマに着陸する時、窓から見えるブロッコリの房みたいな丘陵と畑に、ここの野菜はおいしいだろうなぁと思いました。
シチリアへ渡る前の2泊で色んなものを食べたのに、鮮烈に思い出すのはホテルの近くのバールで食べたブロッコリとモッツアレラのパニーノ。
その日のテレビニュースはアリタリアの飛行機の映像で、聞き取れた言葉は「ストライキ」「明日」「予定外」。
安ホテルの部屋の電話は壊れていて、アリタリアに電話できない。
ストライキと故障した電話。どちらも大変イタリアらしい。
やられたー。さっき寄った隣のバールで電話しよう。
そのバールのカウンターの向こうのおじさんはとても親切。ここには電話はないけれど、向かいのレストランで自分の紹介だと言って電話させてもらいなさい、と。
とてもイタリア!そして解決!
ほっとしたら小腹がすいた。何か軽いものが欲しいと言ったら、「これはどう?」と出てきたのがブロッコリとモッツァレラのパニーノ。
ふつうじゃーーーーん!!
けれど、一口食べて驚いた。
あああああ!こんな普通のものがこんなにおいしいって、ここはなんて素敵なところなんだろう!!
そのおじさんはサルデーニャ出身。若いときにローマに出てきてがんばって、自分のバールを開いたと。その日の昼に私は食べてみたかったサルデーニャのお菓子を食べていたので、話はぽんぽんと弾むのでした。
そして教えてもらったのがブロッコリの蒸し煮。
ブロッコリとオリーブオイルと塩。水と火。少しのニンニクと唐辛子。
そのバールの入り口は私にとって、なんともないものを最大限においしくするイタリアの庶民料理の知恵と技術への入口になったのです。
Viva l’ ITALIA !!! イタリアってすごい!!
私は塩を入れず昆布を入れて、素材の味を底上げしています。
20センチのフライパンにブロッコリとニンニクを入れて底がかくれるくらいの水とオリーブオイルをひとまわし。昆布は1センチ角に切って10枚くらい。唐辛子を入れて蓋をして、水がなくなるまで蒸し煮です。沸騰してから3分くらい。ブロッコリはすっかりやわらかくなるまで加熱します。
よかったら試してみてください。
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