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親の資産管理は絶対に必要な理由

親の資産管理が必要と聞いて、なぜそんなことをする必要があるのかわからない人も多いのではないでしょうか?

実は親が高齢になると、いろいろな詐欺などに引っかかる可能性が増えたりすることもあります。なぜなら高齢になると判断能力が衰えてきて、物忘れも多くなり、よくわからないまま契約をしたりすることがあるからです。

私はFPを13年以上してきて、500名以上の相談に乗ってきました。高齢の親が知らないうちによくわからない商品を購入していた、銀行ですすめられたリスクの高い投資商品を購入していたなどの例がたくさんあります。

この記事では、親の資産管理の必要性、注意点やリスクの解説とその回避方法、資産管理の具体的な方法などを解説します。

この記事を読むと、親の資産管理とはどういったことなのか?どんなことに注意して進めていけばいいのかがわかります。親の資産を守り、子の世代へとトラブルなく引き継ぐ方法がわかります。

親の資産管理とは何か?どんなことが含まれる?

親が高齢になると、判断能力が衰えて、複雑な契約やお金のことを管理できなくなってきます。

例えば、親の資産管理とは下記の項目が考えられます。

銀行口座(銀行名、支店名、暗証番号等)
投資信託等
生命保険
自宅不動産
ネットショッピング等の買い物

これらを整理し、場合によっては預金の引き出しや証券の解約などを代行してあげることもあります。

資産管理が必要な理由

親が高齢になってくると、物忘れで契約した内容を覚えていなかったり、詐欺にひっかかったり、後々トラブルになることが多くなるので、管理をしておく方が子としては安心です。

また親としても資産を守るうえで、判断能力が衰えて来ているので子供に管理してもらうメリットもあります。

例えば、預けている銀行口座を忘れてしまったり、キャッシュカードや通帳の場所さえも忘れる場合もあります。

また、相続・介護・認知も見据えて、親の資産内容や管理・運用などの意思確認をしておくのも重要です。

こういったトラブルを未然に防ぐためにも親の資産管理が必要です。

親が認知症になった場合

親が認知症になった場合、資産は凍結されてしまいます。実の子供であっても勝手に動かすことができなくなります。

認知症になった場合は、介護や見守りなどが必要になり、費用もかかってきます。そんな時に資産が勝手に動かせなくなると子供がその費用を肩代わりする必要も出てきます。

詐欺にひっかかりやすくなったり、不要なものを購入してしまうリスクもあります。

また、どのような財産を所有しているのかすら忘れてしまうケースもあります。

そうしたリスクを減らすためにも、元気なうちに親の資産内容を把握し、認知症になった場合などの対策を親と一緒に考えておくべきです。

親が介護になった場合

親が介護になった場合、どんな介護を望むのか、それにはどのくらいの費用がかかるのかといったことを考えることが必要です。

そのためにも親の資産がどのくらいあるのか?年金収入はどのくらいなのか?ということを把握しておく必要があります。

親が亡くなった時

親が亡くなった時、どんな資産がいくらあるのかを調べる必要があります。
なぜなら相続する際には、死んだ人の全部の財産を調べて、それを法定相続人で分割する手続きを踏まないと、金融資産を相続することはできません。

相続税を申告する必要のある人も、しない人もこの手順を踏まないといけませんのでどのみち親の財産管理をしておく方が、あとから調べる手間が省けます。

また、隠し財産や発見できなかった借金などがあった場合は、あとから借金を相続したりする羽目になるので、親が生きているうちに資産管理をしておく必要があります。

親の資産管理をするメリット・デメリット

親の資産管理をするメリットは上記で述べたように、親の負担を軽減できることや、万が一の場合の資産凍結、相続などのトラブルを未然に防ぐことができるからです。

資産管理をするデメリット

資産管理をするデメリットとしては、家族間でトラブルが起こる可能性があるということです。

例えば同居している子供が親の資産管理をしている場合、家族間で誰かが得して誰かが損していないかという問題に注意する必要があります。

また、本人の意思通りに資産が活用できているかなどの意思確認も必要で家族間でも共有しておく必要があります。

最後に、法律上や税金上問題が起こらないかということも考えておかないといけません。

回避する方法としては、弁護士や税理士などの専門家のアドバイスを取り入れながら資産管理をしていくことが必要です。

親の資産管理をする上で注意点やリスクは?

高齢の親は年金収入と自宅と金融資産というパターンが多いです。所有する金融資産を取り崩して生活していくことになるため、リスクの大きい金融商品(例えば投資信託など)での運用はやめておいた方がいいでしょう。

また、資産寿命を延ばすという意味でも預貯金だけではなく、債券などでの運用するのも検討しましょう。

あと、相続も見据えて、生命保険などの活用も検討しましょう。

具体的な資産管理の手順

親の資産管理をする方法とその手順を解説します。

1.親に相談する

もっともハードルが高いところです。変に伝えると、お金を取られるのではという不信感を持たれかねません。親の負担を軽減する、資産がどこにあるか把握しておかないと相続の時に困る、詐欺や痴ほうから親の資産を守るためにも必要だと伝えましょう。

2.財産目録を作る


預貯金(銀行名、支店名、口座番号)
生命保険(保険証券、加入内容の把握)
自宅不動産(権利書、名義、価格等の確認)
投資信託等(その他金融商品)
年金収入額
借金額

エクセルシートのようなものでまとめてもいいですし、紙でも大丈夫です。

3.介護や痴ほうになったらどんなお世話を希望するか?

施設に入りたいのか?
どんな施設なのか?
自宅介護を望むのか?

その場合の費用負担はどうするのか?
誰が世話をするのか?

など、親の希望を聞いておきましょう。

4.死んだらどのように財産を分割してほしいか?



兄弟姉妹がいる場合は、だれに何をどのくらい残したいかを確認しておく。

5.家族間での相談、確認

兄弟姉妹がいる場合は、親の財産と意向を確認しておきましょう。

6.専門家に見落としが無いか確認

税理士・弁護士・FPなどに専門家の観点からリスクや問題がないかのアドバイスをもらう。

7.家族信託などの制度を活用し実際に管理をスタートさせる

家族信託制度は柔軟で家族が財産を管理できる方法です。認知症になったらこの制度はつかえなくなり、裁判所が任命した後見人しか財産管理できなくなるので、ここまでのプロセスを早めにしましょう。


資産管理に関する専門家との付き合い方

ここでは複雑にからんだお金と法律の関係の専門家との付き合い方を解説します。

弁護士・司法書士

家族信託などの制度、財産管理をする上で法律的に問題になりそうなことを確認し、必要なアクションをとりましょう。信託や相続の専門家かどうかでアドバイスも変わってくるのでHPなどで確認しましょう。

税理士

相続、贈与などに詳しく、相談件数も多い税理士に相談しましょう。一般的な税理士は所得税と法人税には詳しいですが、相続・贈与は数年に一件程度しか対応したことがない税理士が多いのが現状です。

FP

FP資格の科目で相続や贈与、ライフプラン、不動産などを勉強しているので、総合的に相談できる。ただ、細かい例外に詳しいわけはない。込み入った家族関係、財産などを持っている方は、FPだけでなく専門家に相談しよう。

税金につよい弁護士や、法律に詳しい税理士がいればその人に聞けばいいのですが、二人に聞くことになり時間と費用も掛かりますが専門家に聞いて間違いのない方法をしましょう。

一般的な家庭であれば、FPで回答できることも多いでしょう。

まとめ

親の資産管理というとセンシティブで触れたくないという方も多いのではないでしょうか?財産をあてにするとか、財産目当てといった理由ではないということがまず大切な考え方です。

高齢の親は痴ほうのリスクや判断能力が衰えてきているので、詐欺にあう可能性やリスクの高い金融商品を購入する可能性が増えます。また、相続の際には財産(借金も含む)を把握して遺産分割する必要があるので、死んでからでは財産がきちんと把握できない可能性もあります。生前に資産目録等の作成はとても重要です。

親の負担を減らし、資産を守るため子供が親の資産管理をすることはとても有益です。
ただ、家族間でもめないように、弁護士・司法書士や税理士やFPなどの専門家のアドバイスも取り入れながら、資産管理を勧めましょう。

Q&A

Q、親の通帳はどうやって管理したらいい?

銀行の通帳ですが、親の状況によると思います。まだまだ頭もしっかりしっかりしていれば、キャッシュカードと暗証番号まで聞いて、引き出しなどの代行をしなくてもいいでしょう。

銀行に代理人の手続きをすれば、子供でも親の口座からお金を引き出すことは可能になります。

Q、親が認知症になったら困ることは何ですか?

親が認知症になったら困ることは

資産が凍結される
詐欺などにひっかかりやすくなる
無駄なものを購入したり、なんども同じものを購入したりする

などがあります。

回避する方法としては、同居して親の資産を管理する方法があります。






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老後あんしんFP
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