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秘密が女を女にする。個性が文化を文化にする。

今までで一番同性にドキドキしたのは、
四六時中ヒジャブをまとっていた留学生の、
それを脱いだ姿に初めて遭遇したときだ。

ヒジャブを着ているときは、
マトリョーシカのように可愛らしい。
だからこそ、解き放った瞬間、
より強く女を感じるのだ。
男なら、俺以外に見せるなと、
思わず手荒く隠すだろうと思うほど。

着物もそう。秘すれば花。
それを生み出した国の生まれである私は、
露出を喜ぶ愛より、
必死に隠そうとする愛がいい。

閑話休題。

環境のおかげで、ヒジャブには慣れた。
しかし、ニカブやブルカの人がいれば、
物珍しげに見つめてしまうだろう。

そんなスタイルと習慣を
異国の地でも、堂々と続ける――
否、当たり前に暮らす、ナダたち。
宗教とか習慣うんぬんよりも、
際立つ素晴らしき個性。
(ていうか、ナダが好きだ!!)
“自分が自分であることを思い知るのよ”
と笑う彼女は、
迎合なんて言葉を考えつきもしないだろう。

私が異国に滞在すれば、
溶け込むために、
現地人のフリばかりするだろう。
何と情けないアイデンティティ。

だけど、もしかしたら、
それこそが我々の文化なのかもしれない

仏さんも、神さんも、ウェルカムな、
そんなふうに外国語も丸ごと取り込んでしまうような、
なかなかどうして特殊な民族。

どうだい他に真似できるかい?
真似できる奴がいないなら、
それは個性で文化だよね。

ユペチカ『サトコとナダ』を読んで
――2018.1.2 ほかる

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