【かげろう】
タイトルの通りですが、私には幼い頃の記憶というものが、どうも曖昧でして、「覚えているのか?」と問われたら、「まあ覚えている」と言えますが、
「説明して」と言われますと、どうも困ってしまいます。
自分の中で絶対に消えないであろう『記憶』というものは、まるで映画のワンシーンのように、ある一場面でしか記憶されていないのです。
思い出そうと思えば、どこで、誰が、どのようなポーズをしているのか鮮明に思い出せます。
しかし、それは何度も見てしまう夢のようにおぼろげで、私から記憶という自信を無くさせるものでした。
これからお話しする私の人生は、もしかすると全て私の夢かもしれない、幻に勝手に悲しんで怒っていただけかもしれない。
そう不安になることが度々ありますので、どうぞ物語を読んでいるように読んでいただけますと、大変助かります。