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読書日記その537 「世界金玉考」
男子諸君よ、君たちは「キンタマ」について真剣に考えたことがあるだろうか?男子なら誰もが持っている、離れがたき相棒「キンタマ」。本書はそのキンタマを、あらゆる分野から考察した本だ。
いやはや、本書をナメてはいけない。ほんのシャレで軽く出版されたようなものではなく、これがなかなか深く考察されているのだ。その分野は、生物学、歴史、文学、芸術、食など多岐にわたる。
ボクが最も興味深く読んだのは、生物学からのアプローチだ。男子なら誰もが経験したことがあるであろう、キンタマを打ったときのあの耐えがたき激痛を。もはやそれはもん絶なんてレベルではない。そこで思うのは、そんなに大事なものなら身体の中にあってもよかろうものを、なぜ身体の外に無防備にぶら下がっているのだろうか?本書を読めばナゾがとける。
また驚くことに、人間の基本形は女性だというのだ。男性は、生命の基本仕様である女性から変化したものだという。お母さんのお腹のなかで生命を宿したとき、誰もが女性からスタートするのだ。オゥ、マザ〜!そしてキンタマ周辺には、元の女性のときの名残りがあるのだ。それは男子ならわかる意外な部分。なるほど、みょうに納得。
また男子なら一度は考えたことがあるであろう。自分の胸にあるちっちゃな乳首は何のためについているのか。女性はわかるが、男性の乳首というのはまったくをもって意味をなさない。ところがこれも元の女性のときの名残りだという。いやはや、もはや感動レベルだ。
ほかにも、歴史からのアプローチでは、やはり西郷隆盛のキンタマの逸話は有名だ。そのほか、勝海舟、藤田東湖、正岡子規、また終戦時の総理大臣鈴木貫太郎などなど、偉人たちのキンタマにまつわる逸話がおもしろい。
さらには、江戸時代にあったキンタマ拷問、中国の宦官制度による去勢の話、トランスジェンダーのキンタマ摘出手術の様子は、読んでる自分のキンタマが縮みあがり、まるで生きたここちがしない。
最初は軽い気持ちでスマホで読み始めた本書。ところが思った以上に、キンタマについて真剣に考察されてるので、やはりちゃんと本を買ってしっかり読んだほうがいいのではと思った。
ところがだ。冷静になってよくよく考えると、ここでキンタマに詳しくなったところでしょうがないと思いなおし、そのままスマホで読み上げた。その程度のどうでもいい雑学を、本書は驚くほど真剣に考察しているのがおもしろい。