記憶の上書き
今日は、昨日の小児科外来で
採血を泣きながらも、頑張った12歳の女の子に向けて
メッセージを書きました。
子供さんに採血をする時
私たち看護師は、それがトラウマにならないように
記憶の上書きをしていく役目もあるのだと
感じました。
どうか その女の子に、少しでも
病院や採血への恐怖が、薄れていきますようにと
祈るばかりです。
注射、がんばったね。
こわかったよね。
お母さんの手を握って
涙を流しながら
あなたは
すごく がんばったんだよ。
注射はこわいよね。
かんごしさんだって、自分が注射される時
こわいから
小さなあなたは、すごくこわいと思う。
病院に来る前も
お母さんと、いっぱい約束してきたんだろうね。
今日は泣かないぞ
今日は逃げないぞって
いっぱい約束してきたんだろうね。
でも
いざするとなると
こわいんだよね。
あの時、いっぱいの人に押さえられて
注射した記憶が
思い出されるんだよね。
だから
今日はかんごしさんと約束したよね。
「かんごしさんも、痛くないようにがんばるし、
誰も○○ちゃんを押さえないから。
お母さんと、手を握ってるだけでいいから、
○○ちゃんも、動かないで注射やってみよう」って。
そしたら
あなたは、約束を守ってくれた。
かんごしさんを信じてくれたんだね。
あなたがじっと一人で動かないでいてくれたから
かんごしさんもがんばれたよ。
ありがとう。
今度からは
あなたは、もう今までみたいに
みんなに押さえられなくても
注射できるよ。
そばにいてくれるお母さんと
かんごしさんをしんじてね。
自分をしんじてね。
チクッと痛いのは、変わらないかもしれないけど
こわいのは、だいぶん少なくなると思うよ。
だいじょうぶだよ。
強かったよ。
本当にがんばったね。えらかったね。
あなたは 何も悪くない。
いっぱい ほめてもらってね。
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