詩「涼しい顔したカモ」
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カモはスイスイ水面を進む
二本の足で
力一杯お水をかいて
それでも涼しいお顔で進んでく
私というカモは
「みんなホントは一生懸命お水をかいているのだから」と
遅れたりしないよう
必死に必死にお水をかいてきた
だけど
それはとっても辛いことだったみたい
だって私というカモは
一本足だったから
他のカモと同じ速さで進むには
他のカモの何倍も努力しなくてはならなかったから
私は自分が一本足のカモだと気づかないまま
二本足のカモたちについていこうと
必死にお水をかいていた
一本しかない足で
必死にお水をかいていた
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