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PTSD治療の前段階に苦心している。

前提として、表面化していないとはいえADHDの私は一つのことに集中するのが苦手だ。

誰かと話をしていても、相手の話を聞きながら、相手の頭の匂いとか、指の動き、空調の音、他にいる人が退屈していないか?、椅子の硬さ、夕飯のおかずのことなど同時進行で考えている。
感じている部分もある。

ただ、PTSD治療の前段階として、足の裏に意識を向ける訓練をしているのだが、ちっともうまくいかない。
だって、足の裏のことだけ感じたり考えたりするのムリなんだもの。

どうしたもんかなぁ…

床の上でやるには多分つまらなすぎて意識がいかないんだよね。

そこで私は練習場に、牡蠣殻がたくさん落ちている少し離れた浜を選んだ。
どこを踏んでも牡蠣殻だらけで、これなら嫌でも足の裏に気が向く。

まぁ、ここでしかできないのじゃ意味はないのかもしれないけど。

私は「今ここ」を感じるのがすごく苦手だ。

車が通る音がすれば「車種を特定しようとする」。
御婦人が喋っていれば「人数を特定しようとする」。

つまり、ただ感じるのは難しいのだ。

理屈先行型のためだろう。



ただ、牡蠣殻が落ちている浜は、こども園の近くで、時間によっては近づけない。
「キャーキャー」「ワーワー」耳がつんざかれる。

だから、朝6時に牡蠣殻を踏みに行っている。


PTSD治療の前段階だけで、もしかしたら定型発達さんとは違う苦労をしているかもしれない。

定型発達さんの聴こえないものが聴こえ、
見えない範囲が見え、微弱な匂いを感知し、風の動きや振動に驚き、塩辛いものが食べられない…。

そんな感じやすい私が、一つのことに集中するのはとても難しい。


いつになったらPTSDの治療に入れるのかも知らされないまま。

私は早朝に牡蠣殻を踏みに行く。




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