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「私も好き…!」って言えなかったあの日。
中学の頃。
私からのバレンタインデーのお菓子を受け取ってくれた男の子がいて、その子、
「ホワイトデーにちゃんとお返し用意したから今日帰りに下駄箱のとこ来いよ?待ってっからな?」
って念押されてた。
私、この子にめっちゃ構われてて、いつもちょっかい出してして、でも私が風邪引いて声が出ないときに喋ろうとすると
「喋るな!💢」
「ごめん」
「ごめんも言うな!💢」
私と対等だからしっかり喧嘩もできて、体格のいい子だったせいで体の小さい子を逆さ吊りにしてふざけていた様子見て、私
「やり過ぎだ!アンタ馬鹿なの!!」
とガチギレした。
「首をケガしたら大変なことになるでしょう!?
柔道やってるアンタがそんな事するのが許せない!
力も技も体格も持ってる奴がやることじゃない!!
それは強さなんかじゃない!!」
彼、しょぼくれてた。
すごく汗臭くて、どーしょーもないやつだったけど、私は彼といるのか楽しかった。
ポニーテール引っ張ったり、スカートのホック外れちゃったりしてるの指摘してきて、ウザかったけど、それすら楽しかった。
ホワイトデーのお返しは受け取らなかった。
あまりにドキドキしすぎて。
すごく怖くて。
私を好いてくれてるのはわかる。
でも…
でも…
きっと今だけだから…
いつか嫌われちゃう。
いらないって言われちゃう。
怖い…
怖い…
それから彼とは3年間口を利かず卒業した。
辛かった。
「私も好き!
アンタといると楽しい!」
そう言いたかった。
スノコの敷かれた下駄箱で。
なんで、逃げちゃったんだろう…あんなに好きだったのに。
すでに、好きのドキドキと虐待のドキドキが区別つかなくて、怖かったんだ…
はぁ…わたし。
なんか…色々駄目にしてきちゃったな…。
うぅ…、ただ嬉しいとか貴方が好きとか、ポジティブな感情すら…はぁ〜…
幸せなドキドキとか、
楽しいドキドキとか、
全部奪ってしまうね。
虐待って。
でも、彼は知らない。
私が被虐待児だなんて。
だって私も自覚なかったんだもん。
ねぇ…△△△△、私アンタのこと大好きでした。
遅すぎるよね。