私は「正常」になったのかもしれない。
ここしばらく、孤独に耐えられず、
「いつまで…
いつまで…
いつまで…
私はひとりぼっちなのだろう…」
と、飲めないお酒をあおっていた。
冷静に考えたら、ひとりぼっち。
誰とも口を利かない日なんて当たり前の正真正銘のひとりぼっち。
これに何年も甘んじていたら誰だって精神的に崩れるだろう。
私は孤独に強いほうだと自負はしている。
しかし、治療の目処も立たず、いつまでひとりで生活し、ひとりきりで頑張り抜けばよいのか、全くわからない恐怖から、お酒を飲むようになった。
ただ、ふと思ったのだ。
…むしろ、それ「怖くて当然じゃないの?」。
今まで平気でお酒とかの嗜好品なしで、何にも依存せず平然としていた私の神経が「孤独向け」になっていただけじゃないの?
それが、「人間らしさ」を取り戻したから「いつまでひとりぼっちなんだろう?」と不安になってるんじゃないの?
だとしたら、正常になっただけじゃないの?
私は産まれて初めて、「ひとりぼっち」に怯えているんだ。
子供の頃から虐待やイジメから身を守れるから「ひとりのほうが安全」だったけれど、それが揺らぎ始めたのか。
私は正常なひとになっただけかもしれない。
「淋しさを感じたことがなかった」
そのほうが異常だったのかもしれない。