恍惚の泥沼だ 助けないで 〜『カオス極まる』の歌詞を味わう。〜
アニメ ブルーロックの1期OP曲 UNISON SQUARE GARDENの『カオス極まる』のとある歌詞が凄くよかったので、その一解釈をぶちかまします。
最初はアリアドネの糸ってなんだ?
って思い調べてみたところから始まりました。
ギリシャ神話から持ち出された言葉らしく、
ざっくり自分なりにまとめると、
[ 2度と出れないと言われる迷宮にいるケンタウロスを倒すべく英雄が迷宮に入るのだが、その際に英雄に一目惚れをしていたアリアドネ王女が毛糸を入り口から垂らし続けるといいというアドバイスを受け、英雄は迷宮から脱出できたという話。 ]
そこから転じて、[ 非常に困難な状況から抜け出す道しるべ ][ 解決の糸口 ]という意味で用いられるようになったようです。
は❶アリアドネの糸を揶揄しての「笑わせないで」なのか❷アリアドネの糸とは呼べないから「笑わせないで」なのか。「笑わせないで欲しいのに」とあるので次に続く歌詞から❷かと思いましたが、歌詞全体を読みこんでみると恐らく❶だと思います。そっちのほうが言いたいことが全体を通して一貫しているし、ぶちかましてる感じで超良い。後に続きます。
その次に続く歌詞が一番ぼくが気に入っている部分なんですが、
[ 息もできないくらい カオスが極まってきており、やばすぎんのに、気味が悪いほどうっとりとしている、つまりこのカオスを昂り楽しんでいる状態で、だからこのカオスは恍惚の泥沼のようで、ハタから見たら苦しく踠いているように見えるかもしえないけど、いいところなんだから助けないで、口を出さないでくれ、邪魔だ、すっこんでろ。]
と解釈できます。なので
という歌詞が散りばめられています。
ではアリアドネの糸の話に戻ります。
別のサビで、「これのどこがアリアドネの糸だ」が歌われている同じメロディー部分で、
と歌われています。
(これのどこがアリアドネの糸だ)=(忘れないでくれ運命論は無駄だ。)
つまり辿れば必ず着く運命の糸を無駄だと言っていることが分かります。だからちゃんと歌詞に
とあります。
迷宮から助けるための、元の場所に戻るための、アリアドネの糸。それを戻りたくなったなんて思ってたっけ?と言っています。そう、現代用語では解決の糸口的な意味に変換されてますが、もともとアリアドネの糸は「元の入り口に戻るための糸」なんです!
この記事で触れましたが、ブルーロックは今の自分を壊し、バラバラになったピースから新しい自分を作り変えていく話なんです。元通りの自分になっては、現状を打破できないんです。だからこその戻りたくなったなんて思ってたっけ?なんだす!
このフレーズに続く歌詞は、
地獄とは、「英雄が行った迷宮」であり、「恍惚の泥沼」であると思われます。ここでも超気持ちいいと言っています。地獄だけど、苦しいけど、慣れちゃえば超気持ちいんです。余談ですが、糸つながりで、地獄から救い出す蜘蛛の糸を連想して地獄という言葉を用いたのかもしれません。
そして、その地獄を楽しむ心の程を尋ねています。
地獄の先に楽園はあると言っています。
だからこそクレイジーさを問おているんだと思います。
アリアドネの糸によるアリキタリな未来より、
見たことないドラマチックな未来を求めよう。
終始、それを伝えている気がします。
以上、一解釈兼妄想でした。
P.S. 余談ですが、実は王女アリアドネが恋して助けたその英雄と結ばれることはなかったそうな。