見出し画像

月の暈を見た。【冬の1コマ】

#冬の1コマコンテスト
冬に思いを寄せたくなる、そんなひとときを写真と共にお送りします。



乾いた月かと思いきや。



12月の夜。
吐く息が白む感じをつかむ深夜の頃合い。
頭に降る白い光が、からだにやけに張りつくようで、それが気になった。
つい、見上げる。

「月……じゃなくね?」

 てっきり、冷気に磨かれた月がいつもよりも鋭く光を街におろしているのだと思っていた。
 が、別にそんなことはなく、歩道に立つ街灯が爛々と照っているだけのこと。

「……」

 ただ、それも好ましく思う。
 冬の細い木々の枝を、ぐようにまっすぐ降りそそぐそれは、乾いた冬の晴夜をあらためて私に思い知らせてくれた。 

 散った光が一瞬虹色の輪をつくったように思えて、それが月のかさのようにも思えた。


月のかさ … 月の周りに見える光の環。月暈げつうん

コトバンク 月の暈

いいなと思ったら応援しよう!

ななくさつゆり
最後までお読みいただきありがとうございます。 今後も皆さまの読書体験に貢献できるよう活動を続けてまいります。 いただいたチップは創作の活動費に充てさせていただきます。 何卒ご検討をお願い申し上げます。