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夏になると思い出す記憶


夕焼けが美しい季節になった。
遠くに見える山々の峰が黒い影をつくり
雲がオレンジ色に染まる。

雲と峰の間に、ほんのわずかな隙間があって、
その隙間が紫色に染まる瞬間がある。

ほんの数分、

このタイミングで夕焼けを見ることができる日は
とてもラッキーな思いになる一方で、
同じくらい切ない気持ちになる。

紫色に気がついたのは随分若い頃なのだが、
切ない気持ちに気付いたのは、随分と時間が経過してからだ。

実は、花火大会が好きではない。
人ごみの中で、何故か切なくなる。

ずっと、何でかなぁ…と考え続けてきた。


そしてある日、
花火大会と夕焼けの気持ちの根っこが
つながっていることに気づいた。

懐かしさと切なさが混同する感覚を、
今年も体験することができた。

あの子は元気でやっているだろうか...



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