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昼から飲むワインと、40代の言えない恋の話
41で訪れた、20年前のあの頃の感覚。
想定外もいいところの、
偶然が何度も重なった先の。
続けるつもりもない
未来もない
それでもまた、好きが訪れたことが嬉しい。
きらきらした瞳に出会えたことは、やっぱり嬉しい。
あの角を曲がった先にある地獄と天国を
知れたことが嬉しい。
選択肢があると思っているうちは、まだ好きではなくて、
選択肢なんかそもそもない。
恋に落ちる、とはそういうものなのだとしみじみ思う。
このまま、ずっと好きでいたい
彼を好きだった私を好きでいたい
だから、とにかくしっぽを振らないで。
何も見えないフリをして、扉を開けて、閉めて
ちゃんと鍵をかけて。
木の扉の向こう側にいて、こちらを見ている
その目をもう探したりしないから。
私も見えないふりをして、
「同じ穴の狢だね」そう言いたい気持ちに蓋をして
自分の足元を見ながら、いつもの横断歩道を渡る。