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絵をいとおしくおもう

調べてみたら1995年の展覧会だった。
あれからもう27年たったのか。

私は26歳であった。

この本の表紙をみて、東京の渋谷にある東急Bunkamuraのミュージアムで当時開催されたアンドリュー・ワイエス展を思い出したのだ。

ワイエスという画家をその時初めて知ったのだが、
水彩画は興味がなかったし、好きな絵ではないと思った。

ワイエスが大好きという人がいて、この展覧会が待ち遠しいと言い、いろいろ説明してくれたけど、私は上の空だった気がする。
もちろん、絵もみにいかなかった。


今回この中野京子さんの本を読んだら、
27年も前の事を悔んだ。

ワイエスの絵のすばらしさに心がふるえた。


この表紙の女性はヘルガ・テストルフという。

22歳の時に結婚した妻ベッツィは生涯にわたり夫ワイエスの作家活動を支え、彼は数々の芸術賞や勲章、名誉博士合などを手にするのだが、そんな妻も知らない事実があった。

15年にもわたりヘルガはワイエスのモデルをつとめた。
240点以上もの作品。
ヘルガは4人の子持ちの人妻で、ヘルガの夫もこのことは知らなかった。
ヘルガシリーズの多くがヌードだそうだ。

表紙のヘルガを改めて観る。

なんて魅力的なのだろう。
丁寧に追う筆の動きに、感動が溢れているように思う。
観ているわたしまでもが
この絵をいとおしくおもうのだ。

ずっとみていても飽きない。

しかしそれも、中野京子さんの説明があってこそだと思えた。

ワイエスの作品の魅力に気づき、
こんなにも絵をいとおしいとおもえたことが
なんだか嬉しい。





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