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源氏物語の蒔絵の作品がすばらしい!東京国立博物館にて謹賀辰年
2024年が明けました。
皆様今年もよろしくお願いいたします。
トーハクこと東京国立博物館では、新春恒例「博物館に初もうで」と題して、毎年1月2日から展示が始まるらしく(知りませんでした!)今年初めて初日よりお邪魔いたしました。
本館前では新春イベントの和太鼓や獅子舞などが行われ、人出も多く大変な賑わい!外国の方がたくさんいらしていたのも印象的でした。
さて、今年は辰年ですね!十二支獣においては辰は龍となり、唯一想像上の動物です。この「博物館に初もうで」でも「龍」をテーマとした部屋あり、吉祥作品のご紹介ありとめでたいづくしでありました。
今回一緒に訪れた夫が
龍という生き物は善き者?それとも悪者なのかねえ?とたずねてきたので、そういえばそうだねという話になりました。
姿形はかなり恐ろしいし、落雷とともに現れるなんて状況も似合います。災いをもたらす生物だったようにも思えてきましたが、神社仏閣には龍の装飾が多く見られ、ありがたきお姿と、おもわず手を合わせるような気持ちにさせられることもあります。
実在しない生物ということから神秘的でもあり、
良くも悪くも存在自体がパワーそのものである生き物なのだ!ということを再確認しました。
同時に
パワーというものは、必ずしも善き使い方だけに適応する訳でもないのかもしれないということも、考えさせられました。
今回のトーハク訪問にて、
たくさんのパワーあふれる作品を鑑賞させていただきました。
今回は、
季節や行事に限らず、よりパワーをいただけたと思えた作品や場所などを
個人的なセレクトではありますが、ご紹介したいとおもいます。
本日の閲覧作品で一番心を奪われましたのは、蒔絵の作品でした。
「源氏物語蒔絵源氏箪笥(げんじものがたりまきえげんじたんす)」という作品です。
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源氏物語の冊子を納める源氏箪笥。内に3段6個の抽斗を収め、外側には澪標・花宴・明石など源氏物語の諸場面を描いています。蒔絵は金貝や付描を多用した豪華かつ入念な作行を示し、葵紋と梅鉢紋を散らすことから、大名婚礼調度の一部であったと考えられます。
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この豪華さと技術の高さに目を見張りました。
この冊子の絵もどういう作りなのでしょうか。デザインも独特だなあ!
もうこれ以上の豪華さはないというくらいのセットです。そしてまた、江戸時代の作品というのだからすごいなあ!
さてもう一つ「源氏物語」を題材にした作品があります。
こちらもすごいのです!
「源氏蒔絵鏡台および内容品(げんじまきえきょうだいおよびないようひん)」
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筆もこんなに種類がそろっているのです。
おしゃれしたいという気持ちは現代と全然変わりませんね
表面には九曜紋を散らしており、婚礼のためにあつらえられた調度の一部とみられます。梨子地に薄肉高蒔絵を基調として豪華に装飾しており、鏡台には「花宴」「胡蝶」、鏡箱には「桐壺」、櫛箱には「篝火」、沈箱には「末摘花」と、それぞれに「源氏物語」の一場面を描いています。
今回これらの作品が一番印象に残ったのには訳があります。
実は次回の大河ドラマが「紫式部」の話ということが頭にありました。
そして、そのことから先日この「数学科の国語教師オニギリさん」の記事を読ませていただき、さらに「源氏物語」と「紫式部」にモリモリ興味がわいてきたのです。
オニギリさんの説明がすごーくわかりやすくて面白いんです!
今年の大河ドラマ、最初は「みてみようかなー」と思っていた程度だったのが、オニギリさんのnoteを読んで「もう絶対見る!楽しみで仕方がない!」に大変化しました!
オニギリさんのnoteで紫式部と「源氏物語」のすごさを理解したあとこの作品とつながり、ワクワクしております。
オニギリさんのnoteをまだ読んでいない方は是非お読みくださいね!
さて、次に私がパワーを感じたものは仏像たちです。
「千手観音菩薩坐像」
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合掌すると2本の腕と40本の脇手を表す千手観音菩薩像です。本来は千本の手を備えますが、実際には腕の数を省略された数でつくられることが一般的です。角ばった顔などは中国・明時代ごろの特徴を取り入れたものです。制作当時の台座、光背が残る点が貴重です。
42本の手もすごいのですが、この頭にあるお顔の数と表情がインパクト強くてびっくり!
先日自分の記事で「十一面観音立像」のことを書かせていただき、自分なりに学習したばかりだったこともあり、この像のお姿にくいついてしまいました。
千手観音というものは、正式には「千手千眼観自在菩薩」と言うらしく、千の慈眼で人々の苦しみを見て、千の慈悲の手で人々のその苦しみから救うという神様なのだそうです。
額に第三眼、頭部に十一面または二十七面(!)をのせる(日本の仏像・東京美術より)とのこと。この像は十一面かなと思います。
写真ではぼやけてわかりづらいのですが、怒っている表情のお顔もありました。表現が細かくてすごいなあと思いました。
遠くからみて戦いのポーズをした像をみると、あ!毘沙門天!と思い駆け寄るのですが、毘沙門天ではないことがよくあります。
私事で恐縮ですが、最近の私の推しは「徳川家康公」と「毘沙門天」であり、毘沙門天の像をみるとうれしくなってしまうのですが、
戦いのポーズをしている像って毘沙門天以外でもいろいろあるのだなとわかってきました。
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仏像は大きく分けると如来、菩薩、明王、天に分類できるのですが、それぞれそのお役目に関するお姿を現しています。基本的には人々の苦しみから救ってくださるということではありますが、戦いのポーズの像は、人々の苦しみをやっつけてやる!というようなお姿であり、戦国武将などはそのお姿に自分たちの戦意もこめて祈ったのだと思われます。
この像も遠くから見たとき毘沙門天かと思いましたが、近づいてみましたら十二神将立像という表示があり、違うんだーと思いました。この像は十二神将立像の中の「辰神」です。
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十二神将というのは天の仲間です。薬師如来の眷属であり薬師如来のいわばガードマンのような存在とか。日本では十二支とむすびつき、十二支獣を頭部などに表しました。平安時代から始まり、鎌倉時代以降には一般化します。
あ!毘沙門天もいました。
邪鬼を踏んづけていますね。おなかのベルトには獅噛もつけられています。宝塔は持っていますが反対の手に戟はありません。でも手の形をみると以前はもっていたのではないかなと思われます。このように毘沙門天の特徴を探していきます。
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足元の邪鬼を含む全身を一材から掘り出しています
毘沙門天は当初は戦勝祈願や国家鎮護のために造られましたが、中世以降は福徳神としての性格が強まりました。財宝の神様にもなり、七福神に加えられます。天の仲間には四天王という持国天・増長天・広目天・多聞天の4人の神様がいますが、その中の多聞天とも同一人物であり、毘沙門天はいろんな強さをもっていて大好き!たくさんのパワーのある神様です。
さて、その毘沙門天ですが、トーハクに行こうと決めた時に、行ってみたいと思っていた寛永寺の特別参拝があるということをたまたま知りました。そしてなんとその時に、寛永寺の寺宝の四天王像を公開してくださるということがわかり、それは是非行かねば!と寛永寺にも行ってまいりました。
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寛永寺って何?って思われましたよね。突然すみません。
よろしければ、是非下記の記事も読んでいただきたいのですが、簡単にいいますと、天海僧正という徳川家と深い関わりをもつ方が、江戸城の鬼門封じのために創建したお寺なのです。
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下記の図は現在の上野公園の様子です。
天海大僧正は平和への願いをこめて関東にこの東叡山をつくりました。
寛永2年にこの上野に東叡山寛永寺を建立し諸大名もこぞって法華堂、常行堂、大輪蔵などを建立しました。大僧正みずからも釈迦堂、清水観音堂、多宝塔、慈恵堂を建立し、池の中には島をつくり弁才天を祀りました。
山には桜の木を、池(不忍池)には蓮の花をうえ、信仰と憩いの場をつくったのです。明治時代の戊辰の役にておしくもその戦火でやけてしまい、現在の姿は明治12年に再建したものです。焼失を免れた清水観音堂、輪王寺門跡御本坊表門、徳川将軍霊廟勅額門などは重要文化財に指定され、往時の雰囲気をしのぶことができます。このように、上野公園は徳川家との深い関わりをもつ強大なパワースポットなのです!
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私は現在の東京の街の基礎である江戸をつくりあげた徳川家康公という人物が最近とても興味があり、家康公をはじめとした徳川家のことを知るのが最近楽しくてしかたありません。
また、徳川家のパワーにあやかりたいと、徳川家由来のパワースポットをめぐるのがすごく楽しみで、葵の御紋をみつけると一人で興奮してしまいます。
今回も葵の御紋をたくさんみつけました!
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逆立ちしております!珍しいですよね?
こちらの葵の御紋は昨日の七福神めぐりのさい、田端にある東覚寺の門をうつしたものですが、今年の待ち受け画像にしました。
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水戸黄門か!
この寛永寺の御朱印すごいです!切り絵になっているんですよ!数量限定でなくなりしだい終了です。
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さて、寛永寺公開につき公開されたお宝の四天王像はしっかりと拝ませていただいてきました。お寺内部は撮影禁止だったため、noteにて皆様にお見せできませんが、毘沙門天像もあり多聞天像もあり、いや、そのほかの像もほとんどが戦いの像だったかなあ。立派な像をたくさん見せていただきました。
また、境内にはいろいろな像や祠、お墓などがあり、みどころがたくさんあります。
このような鬼瓦も飾られていました。
この鬼瓦は「黒門」に据えられていたものだそうです。
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鬼瓦、みつけたんですよ。
「黒門」というのはこの寛永寺の近くにありまして、来るときに見てきたのですが、貫禄のある立派で真っ黒な門です。
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大名屋敷表門では東京大学の赤門と並び称されるのだそうです。
こんなところであの赤門と結びつくなんて驚きました。
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寛永寺ではこのようなものをいただきました!
東京国立博物館の半券をみせるといただけるというものでした。
いつも持ち歩くようなものに一緒に入れておくとよいそうです。
「御はなびら」というもので、「散華」ともいうそうです。
はなびらのような形ですね!
仏教発祥の地インドでは、泥中に根をはりながら、水面には美しく高雅な花を咲かせる蓮が「最上の花」とされ、仏像の台座にもなっております。
こうしたことから、本来の御はなびらは蓮の生花や樒の葉などを用いていましたが、現在では蓮華をかたどった紙製の御はなびらが主に使用されております。この御はなびらは当山の法会で実際に使用されているものですので、どうぞ大切になさってください。仏縁と諸尊諸仏の御加護による御多幸を御祈念申し上げます。 合掌
また、寛永寺ではこのような本があり購入しました。
マンガだし面白く読めそう!じっくり読ませていただきます!
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さて、トーハクでの作品でみた毘沙門天から寛永寺にまで広がりましたが、
徳川家つながりで、上野東照宮にも行ってまいりました。
ここはトーハクへ行った前日の元旦に、七福神めぐりの前によらせていただきお参りしてきました。(ということは1月1日2日と連日上野に行ったということなのです。年明けの元旦早々から徳川家由来の地をこんなにめぐれて光栄です!)
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東照宮とは徳川家康公を神様としてお祭りする神社で、日光や久能山など全国にたくさんあります。上野東照宮は1627年に創建されました。
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2000基以上あります。ほとんどが1651年に諸大名より奉納されたもの
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重要文化財でもある唐門です。正式名は唐破風造り四脚門。1651年に造営されました。
両端には昇り龍と降り龍があります。(黄緑色でかこまれたところ・左甚五郎作)この龍は毎夜不忍の池に水を飲みに行くという伝説があるそうです。
ここでもまた葵の御紋チェックをしてしまいました。
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こんなおみくじを発見しました!
家紋シールが入っているなんて素敵!でてきたものは葵の御紋ではありませんでしたがワクワク感楽しかったです。それに大吉でしたよ!
さて、最後にトーハクで鑑賞した龍と吉祥の作品をご紹介いたしますね
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『禅林句集』等にある禅語
「松無古今色、竹有上下節」からの引用。
松の葉は常に青々としていることから、
時代を経ても不変であるものの喩。
茶道の真髄に通じることから茶席などによく用いられ、
清巌も茶の湯に通じた高僧でこの句を好んで描いています
(展示説明より)
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羽川珍重・江戸時代
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安土桃山ー江戸時代
刀の装飾のようでした
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上の方をみてください
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もちろんこの他にもいろいろ!
皆様も是非パワーにあふれた作品たちを見に
トーハクを訪れてみてください!
東京国立博物館
東京都台東区上野後年13-9
最寄り駅:JR・東京メトロ銀座線日比谷線 上野駅
東京国立博物館公式ウェブサイト:東京国立博物館 - Tokyo National Museum (tnm.jp)
※「博物館に初もうでー年の初めの龍づくし」は本館特別1室にて2024年1月2日から1月28日(日)まで開催。
そのほかの会場での新春の名品や吉祥の作品などの展示期間はそれぞれ作品によってちがうためご注意ください。
皆様の2024年が龍のような強き良きパワフルパワーを伴い、龍のように天高く飛翔する年となりますようお祈りしております。