クアトロガッツの財布の話
【クアトロガッツというブランドの財布について語っているだけの雑文】
小さい財布、だから小さいふ。
そんな、妙に印象的なフレーズを掲げた革小物のブランドがある。
クアトロガッツ、という。
どれくらい小さいかというと、看板タイプの「ペケーニョ」で92×75mmだそうだ。ほとんど名刺サイズ(91×55mm)である。
私が愛用しているのはクアトロガッツの財布の中でも最大の「コンチャ」なのだが、それでも100×80mmの手のひらサイズである。コンパクトさと容量を両立させた、夢のような財布である。
サイズ感がぴんとこないというかたは、試しに普段使っている財布のサイズを測ってみてほしい。そして比べてみてほしい。
さて、小さいふの凄いところは、「小さいだけではない」ところである。
小さいから少ししか入らない、ではない。紙幣が10枚以上楽に入る。小銭をじゃらじゃらさせても余裕で入る。カードだって、ペケーニョやコンチャなら6枚くらいはいける。
私は普段長財布を愛用しているのだが、プライベートで遊びに行くときには、使うぶんだけこのコンチャに移し替える。手持ちのカード全部は入らなくても、クレジットカードに電子マネーに免許証、とピックアップしていくと、意外なことに充分事足りてしまう。まして今の時代、スマホアプリがポイントカードに取って代わっていることも多い。長財布ユーザーでもそんなに困らないものだ。
小さい財布だと、小さいバッグにもすんなり入る。つまり荷物が小さくて済む。特に遊びに出掛けるときは、荷物が軽いと快適だ。
逆に、荷物が多いという場合も安心である。財布のサイズが小さくなるということは、そのぶんバッグの容量を他のものに使えるということだ。長財布を小さいふに替えると、例えばその隙間にペットボトルが入ったりするのである。
荷物を少なくしたいときも、どうしても多くなってしまうというときも、良いことづくめである。
更に更に。
機能的であるだけではない。
デザインが物凄く多いのだ。
これは誇張でもなんでもない。試しにWEBサイトを覗いてみていただきたい。「今日の小さいふ」と称して、毎日日替わりデザインが出ている。ときどき百貨店などで行われているポップアップショップに出掛けると、展示台にぎっしりと並んだ財布が全部違うデザインだったりする。
これだけあれば運命のひとつに出会える。必ず。
が、出会えなくても問題はない。
無いなら作っちゃえば良いのである。
クアトロガッツではカラーオーダーを受け付けている。
私が愛用しているコンチャは、熟考に熟考を重ねてオーダーした、世界にひとつの品である。愛着も湧く。それはもう、物凄く湧く。この記事のトップに挙げている緑色の財布がそれである。
ちなみに中はこんな感じになっている。
人型のストラップは「キーパーソン君」といって、オーダーの際におまけで頂いたものだ。財布のカラーに合わせてくださったようで、綺麗なグリーンの子を頂いたのでとても気に入っている。もともとボールチェーンがついていたのだが、長持ちするようあとでストラップ金具に付け替えたほどである。
財布自体も、開閉部分のスナップを除くとほぼ全部革だけで作られているので、触っているだけでも気持ち良い。触り心地が良くて、革の質感を楽しめて、もちろん見た目も可愛い。使うたびに幸せな気持ちになる。
こんな素敵な革小物、広めない手はない!
でも財布は間に合ってるというかた、それでもまったく問題ない。
クアトロガッツには、財布以外の革小物も充実しているのである。
サコッシュタイプの「小さいかばん」を筆頭に、キーケースやリップクリームケース、各種文具、などなど。可愛くて使い勝手の良いお気に入りと、きっと出会うことができると思う。
ちなみに私はオールレザーの小さいかばんを愛用している。真っ黒なサコッシュは、ライブハウスに必ず連れていく相棒だ。もちろん緑のコンチャも。
素敵な小物と出会ったら、可愛がって育てる楽しみが待っている。
革を育てる、という表現は、クアトロガッツに出会ってから覚えた。初めは他人のように硬い革も、使い込むうちにだんだんこなれて柔らかくなって、自分の手に馴染んでくる。名実ともに「自分の持ち物」に変わっていく。それがまた良い。
自分の相棒になるべきアイテムを、じっくり選んでみてほしい。あれこれ目移りしてしまうけれど、きっと出会えるはずだ。そして迷っている時間も、楽しい。(私はそのうち、最小サイズの財布であるポキートも欲しいと思って迷い続けている)
世界でひとつの財布を持って、身軽に出かける。
世界はまだまだ広いから、連れていきたい場所がたくさんある。