マインドフルネスとヨーガについて
瞑想とヨーガについて、認知科学者であり天台宗の僧籍をもつ苫米地英人氏と日本のヨーガ行者の事実上のトップであり瞑想法の達人である成瀬雅春氏が、二人の対談本である『瞑想と認知科学の教室』で語っています。
この本で、印象深かったのは、マインドフルネスとヨーガについては、苫米地氏は、明解に否定していたことでした。
成瀬氏が、「ヨーガがブームになる場合、正しく理解されないことも多いですけど、僕としてはどんな形であろうと、興味を持ってくれるのはいいことだと思っていますね」と述べたことに対して、苫米地氏は次のように返答しています。
ウォールストリートのビジネスマンは、金融業であり、カネでカネを生み出しているだけで、社会に何ひとつ貢献していないのみならず、実体経済や社会の枠組みを全部壊しているので普通のアメリカ人は彼らのことを恨んでいる。だから彼らのストレスは自業自得だ、と主張しています。
瞑想とヨーガの目的は、自己の執着心を消して解脱を目指すことにあるのだが、ウォールストリートのビジネスマンが行うマインドフルネスの目的は、ストレスを抑えて、自己のエゴを肯定することにあるところが問題だというわけです。
ビジネスとして大流行しているので、仏教家が、これを忖度しているのかどうかは分からないが、ここまで、マインドフルネスを全否定しているのは、あまり見かけないです。そのため、苫米地氏の主張は、当然のこととして爽快さを感じています。
ヨーガにしても、カリフォルニアでやっているハタ・ヨーガ(さまざまなポーズを取るヨーガの基礎)はみんなダイエット・ヨーガである。つまり、自分の健康促進のためというエゴそのものであり、ハタ・ヨーガの本来の目的である解脱からかけ離れている、と述べています。
般若心経を唱えたり写経することで、悟りの境地に入ることができると言われているが、そんなことありえないと思いつつ、釈迦の教え通りの修行なんて、絶対に不可能なことなので、取りあえず、この安易な方法を続けている次第です。
少なくとも、ボケ防止にはなるだろうぐらいの気持ちでいるが、逆に写経していて、文章が思い出すことができなくなれば、認知症の始まりだということになるでしょうね。
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