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ジル・ドゥルーズ& フェリックス・ガタリ『千のプラトー 資本主義と分裂症』読書メモ(5)

4 1923年11月20日ーー言語学の公準

III 言語を等質的体系として定義することを許す、
  言語の定数や普遍的特性が存在するだろう

・構造的な不変数の問題はーーーそして構造のアイデアそのものが、このような原子的、あるいは関係的不変数と切り離せないのだがーーー言語学にとって本質的なものである。
 この条件にしたがってこそ、言語学は、いわゆる外的なあるいはプラグマティックなものと見なされるどんな要素も避けて、純粋な科学性、他の何ものでもなく科学・・・・を自称することができる。

この不変数の問題は、たがいに密接に結びついたいくつかの形態をとる。
①言語の諸定数(換入可能性による音韻論的定数、変形性による構文的定数、生成性による意味論的定数)。

②言語活動の普遍的特性(音素を弁別的特徴に、統辞法を基礎的な構成要素に、意味作用を最小の意味論的要素に分解する)。

③諸定数をたがいに結びつける樹木と、樹木の全体にわたる二項的関係。

④言語と理論上同じ広がりをもち、文法性の判断によって定義される能力。

⑤直観的判断ばかりか要素や関係にまで及ぶ等質性。

⑥客観的体系から、これを理論上把握する主観的意識(言語学者の意識そのもの)にたえず移動しながら、言語の「即自性」、「対自性」を確立する共時性。

・数人の言語学者が、言語の変化は体系の破壊によってではなく、頻度の漸進的な変容によって、異なる使用の共存と連続によって起きることを暗示した。
 「私はそれを誓う」というただ一つの同じ言表をとってみよう。これは父親を前にした子供が言うか、恋する女を前にした男が言うか、法廷で証人が言うかによって、同じ言表ではないのだ。三つの系列のようなものがここにある。




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