「恋人はゴースト」について
昨晩はNetflixを久しぶりに観た。「ブラックリスト」や「メンタリスト」などといったFBIやCIAといったスパイ、アクション、サスペンス物を見続けてきて、少し食傷気味となっていた。
それで、ドラマシリーズではなく、一晩で最後まで観ることのできるカテゴリーとして映画を選んだ。その結果、「恋人はゴースト」というヘンテコリンな題名が目に留まったので、これにした。
果たして、どんなスピリチュアル系なものとなるのやらと、少しおっかなびっくりな気持ちで、筋を追っかけていた。
研修中の女医役のヒロインが、病棟で懸命に動き回っている場面がしばらく続くので、どこがオカルトかいなという気分だった。
ヒロインが上司から、正式にドクターとなる旨の報告を受けて大喜びする。そして、車で帰宅中に、前面に大きなダンプカーが突然現れ正面衝突をにおわせたところで、筋が変わる。
次は、ヒーローが不動産屋と部屋探しをしている場面となる。中々、気にいった部屋が見つからず、ウロチョロしているところに、ある部屋の宣伝チラシが風によって剥がされて、空中を飛びまわり、ヒーローの足元に何度もまとわりつく。
このあたりから、オカルトチックになってくる。まとわりつくチラシをその度に振り払うが、最後は、顔面にピッタリ貼りついた。両手でそのチラシを引き離して文内容を一瞥して気にいってしまった。
不動産屋は、「その部屋は、期間限定なので、借りるには不適切だ」と盛んに引き留めるが、ヒーローはソファの座り心地が気に入ったという一言で、その部屋に決めた。
予想した通りに、その部屋の前の借り手は、ダンプカーにぶつかったとされるヒロインだった。
このヒロインは、ヒーロー宅に入りこんで、「ここは私の部屋です。何であんたが、ここにいるのよ。直ちに、出ていきなさい。そうしなければ警察に電話するよ」とがなりたてて文句を言う。
ヒロインは、霊としてこの世に存在しているという認識がない。それは、ヒーローがヒロインの存在も認識し、かつ会話も成り立っているからであった。
ところが、外に出てみると、ヒロインの姿を見ることができる人は誰もいないことを知って初めて、自分はこの世に存在していないことを思い知る。
正確に言えば、ヒロインは死んだわけではなくて、すでに三ヵ月間も病棟で生命維持装置による延命治療を受けていたということです。だから、魂が肉体から離脱してこの世を浮遊している霊ということであった。
筋立てとしては、最後まで色々なドタバタ劇がありますが、ネタバレはこのぐらいにしておきます。
霊といえば、2013年8月31日のマル激で、当時東京大学大学院医学部系研究科救急医学分野教授だった矢作直樹氏がマジな顔で霊の話しをされていたことを思い出します。
番組中で具体例として、Bさんをあげていました。
Bさんは10階建てマンションから落下したということです。この時のBさんの様子は尋常でなかったという。
マンションの10階から落下したならば、多発骨折が明らかにも関わらず、険しい表情ながらも意識が異様に清明だったというのです。
様々な治療を施して約一ヶ月後には、意識がしっかりしたところで面談したところ、Bさんは「飛び降りは、自殺しようとしたものではなく、霊に乗り移られたためです」と言ったそうです。
矢作氏は、この時は、あまり注意を払わなかったようです。後から、この言葉にひっかかるようになり、Bさん宅を訪問して、詳しく尋ねたそうです。
「自分は他人が入ってきやすいのです。それは主人も分かっている。というのも、私が知るはずのない夫の事情について、私が普段と違ったしゃべり方で話すからです。」とBさんが言うのです。
Bさんによると、今までまわりにこうした現象を理解する人がいなかったために、自分の体験を相談できなかったとのことです。
霊、魂、憑依について一般人が語ると、単なるヨタ話ししかならないが、れっきとした東大医学部救急医学分野という専門の方の話しですから、無視するわけにはいかないでしょう。
マル激と矢作氏の著作には、霊、魂、憑依などについてさらに奥深いことが語られています。
参考図書:矢作 直樹著『人は死なない』 ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索