小学校時代の学友のこと
6月から写経を始めていて、当初は筆文字サインペンを使用していたが、これで飽き足らなくなり、毛筆で書くようになりました。
半紙で書いていたのですが、縦と横の並びが揃わないので、A3の方眼紙に変えてから1ヶ月経過しました。
どうにか、かっこはつくようになったが、今度は文字の綺麗さを求めるようになり、点・よこ・折れ・はらい・はねなどの基本点画を意識しながら書いているうちに、小学生時代の学友の姿が浮かぶようになったのです。
この時は、奄美地方の徳之島亀津という町で暮らしていたので、鹿児島県から発行されていた冊子に習字コンクールがあり、彼は毎回賞を獲得するぐらいの腕前でした。
その当時から彼の奇妙な仕草が気になっていたのですが、ようやくその理由が分かるようになりました。彼の頭の中で、こうした基本点画を描いていたのでそれが仕草に表れていたのだろうということです。
他の友人たちと混じって、草野球や缶蹴りなどで遊んでいましたが、波長が合わない人だと感じていたので、二人っきりで遊んだり話したりしたということはないのです。
彼は、小学校を卒業後に、沖縄に引越してしまいました。そして、約10年後に同じ大学のキャンパス内ですれ違ったのです。何しろ、10年後ですので、はっきりとは断言できないのですが、彼も顔を私に向けて会釈していたような気がしていたので、多分同一人物なんだろうなという程度です。
前述したように、彼とは波長が合わなかったので、側まで近づいていって確かめてみる気持ちになれなかったし、彼も同様だったのでしょう。
その当時は悩みごとを抱えていて、精神状態も不安定だったせいもあります。
気持ちを落ち着かせるはずの写経から、暗かった青春時代を想起してしまい、ザワザワとするこの頃です。