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実父とその奥さんと躁鬱の娘の話

さて、今日は珍しく二本連続であげます。
(前回記事も読んで頂けますと嬉しいです)

今日は先程、実父とその奥さんと私の彼氏とお婆ちゃんの一周忌に行って来たのである。
このほかほかした気持ちをすぐ書きたいと思い、帰って来てくたくたの状態でこの記事を書いてます。ホットな気持ち大事にしたい。

過去の記事を読んでる方はお分かり頂けると思うのですが、30年間会ってなかった私の父は控えめに言ってやばい奴なのである。

昭和に取り残された様な感性を待ち、話し出すと止まらない、湘南乃風もビックリの俺俺俺!のおれの話。俺のことを知ってほしいが故に送るショートメッセージはスクロール3回分。最早作文なのである。


そんな父から、2/9に母(私の祖母)の一周忌があると伝えられたのは12月の末だった。

勿論、今の奥様も来るとのこと。
初めて会った時に今の奥さんについては俺がいないと何もできないダメな奴と酷評する程のやばい父。
そんな父にボロクソ言われながらも一緒にいる奥さんってどんな人なんだろう…と不安な気持ちで今日を迎えた。

今日に至るまでに父から封筒にパンパンに入った20枚以上の手紙が届き、(勿論、内容は俺俺俺真夏のビッグウェーブなので、ほぼ読んでない)父からの絶対来いよのプレッシャーに耐えながらの日々だった。

実は私、母の手術の前後から今日に至るまでの間、躁鬱が爆発し職場に行けない日が続いていたのだ。
一昨日は夜中に発狂し自傷行為に走り、案の定、次の日ぐったりしてしまい起きれなくて午後から行こうと電車に乗ろうとするも、パニックになり、仕事に行けなくてしくしくと前日の夜は泣いていたのだ。
そんな中、父と会う。
あれ、ワイ、死ぬど??
と死を意識しながら無理やり寝て今日を迎えた。


待ち合わせの駅前に早々と着き、父と奥様を待つ。
電話が鳴ると奥さんの声がした。
「さばのちゃん!もうすぐ着くからね!」
なんとも明るい声で初めましてもなしに名前を呼ばれるので、一瞬戸惑ってしまう。

そして、5分後、待ち合わせ場所に到着した父と奥さんに促され、車に乗りお寺に向かった。
会場は父の地元。
なので父の地元トークがマシンガンの様に続く。
なぜか、奥さんと隣に座らされて顔もよく見ないまま、気まずい雰囲気の中、父は一生話続けていた。
(これは終わったわ)
なんて思ってたらお寺に着くと奥さんが「さばのちゃんって可愛いわね〜」
と声をかけてくれた。

そこで、初めて奥様を見ると化粧気のない幼い顔立ちにボサボサの白い髪。喪服の上にFILAのパーカー、下は黒のハイソックスそこで私は思う
この人、絶対変な人だよ…
もう不安しかなかった。

お寺で読経が始まり、そこで初めて祖母の顔を見た。父に瓜二つ。そっくりなのである。
遺伝を感じながら、母から聞かされてた祖母の情報を思い出していた。

祖母はおっとりとした性格で天然で、優しい方はだったそうだ。こんな変わった父のことをとても心配していて、父と祖父の仲を取り持ったり、父に名一杯の愛情を注いでくれたそうだ。
だからだろう、父が祖母の話をする時は凄く真剣に懐かしむ様な顔をする。
それほどまでに好きだったんだろう。
祖母の写真を見ながらそう思っていた。

読経が終わり、読経してくれた女住職さんの目元がバチバチにメイクされてるのを見て、眉マスカラ何使ってるか聞きたい気持ちを抑え、祖母のお墓参りをした。
線香をあげこれから食事に行くか。と言う時に事件が起きた。
父が古くなった卒塔婆を奥さんに捨てて来てと頼んだのだが、卒塔婆置き場に奥さんがいなかったのだ。
父、私、彼氏で奥さんを探すと奥さん、

本堂の入り口に卒塔婆を立ててました。

これには父もビックリし「何やってんだお前!」と声を上げる。
「だってどこかわからなくて〜」
とニコニコしながら話す奥さん。
いやだからと言って本堂の入り口には置かないでほしい。
卒塔婆置き場を案内され帰ってきた奥さんはあははと笑っていて、私は不安を募らせるのだった。

着替えた後、みんなで一緒にホテルに高級中華を食べに行った。
初めての高級中華…メニューにはフカヒレなんてあるからもうドキドキものである。
しかし、そこでも止まらない父の俺語り。
これから始まるコース料理と共に聞くのはしんどい…絶対味分からねえよ…
そう思ってたら奥さんが一言「ねえ、早く飲み物注文しましょ」
と伝えてくれたのだ。

ただ、早く飲み物が飲みたかっただけかもしれないが、その後も父がマシンガントークをする度に奥さんは私や彼氏を気にかけ、「これ美味しいね」「もっと食べなさい」などと話しかけてくれたのだ。
すると今度は母の悪口や子供のことを聞かれる
特に母の悪口を聞かされた瞬間、30年間育ててこなかった奴がよ…と我慢の限界になり、目の前にあるお冷を顔面にぶっかけようと思った瞬間、奥さんが話を遮り「さばのちゃん、ご飯食べる?」とお皿によそってくれたのだ。

それでも父は止まらない。
そんな父に奥さんが一言
「早く食べないと冷めますよ」
と続く。そして黙って食べる父。
奥さん、見た目で決めつけて変な人だって思ってごめん!!!めちゃくちゃいい人だ!!!

こんなに父を上手くコントロールできる人初め見た!
それからもニコニコしながら奥さんは時折、父の話を制し、私達に気を遣って優しい言葉をかけてくれたのだ。
なんで、こんないい人がこんな父と結婚したんだろと思ってたら、ふと先ほど見た写真の祖母のことを思い出した。

そうか、祖母と似てるんだこの人は。
だから父が安心して一緒にいられるんだ
そして奥さんも父が心配で堪らないんだ
たった数時間しか話してないけど、その数時間で父と奥さんの関係性がぐっと見えたのだった。

そして、初めて父という人間を少し知れた気がした。

父とご飯をしてストレスフリーな時間を初めて送れて、帰り際「今度は一緒に旅行に行きましょ」
と誘ってくれた奥さんはとても笑顔で、優しく私たちを見送ってくれた。

きっとメンタル死ぬだろうなと思った一日だったけど、奥さんのお陰で、少し父との思い出がいい日になった気がした。
そして、父には次回から奥さんも一緒にご飯しましょうとメールを送っといた。
仲良くなったら、奥さんに可愛いコスメでもあげようと思う。

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