来店に必要なスキル / #プロジェクト路
( #ショートショート 本文:737字)
後輩の山田が会社を辞めてラーメン屋を始めたというので行ってみた。
「南南軒、ここか」ガラガラー!
「あ、先輩! いらっしゃいませませ~!」
「なかなかいい店じゃないか。この招き猫もすっごくリアルだ」
招き猫を撫でようとすると「シャー!」と威嚇されてびっくりした。
「野良をしつけてナマ招き猫に育てたんです。いいでしょ」
「あー、びっくりした。ずいぶん凝ってるな」
「まず、一曲、どうですか?」
「???」
「カラオケですよ」
(ここはスナックか)
「いや、歌はいい」
「そんなこと言わずに、デュエット曲、入れました。お連れの女性と歌ってくださいよ」
「連れ? 女性? 俺は一人だぞ」
「何言ってんですか。半透明でバサバサ髪のきれいな女性と入ってこられたじゃないですか」
「えっ!」
「……という冗談はさておき……」
(冗談なんかい! おおこわっ! 気を取り直して……)
「ところで、この店のおすすめは何だ?」
「ナンです」
「ラーメン屋なのにナン? なんでナンなんだ?」
「そんなにナンナン言わないでください」
「カレーラーメン定食がおすすめなのでナンが付きます」
「じゃ、その定食をいただこうか」
出てきたのは、本格的なカレーラーメン。ナンをちぎってかじりながらすするつゆも、シコシコと歯ごたえのある麺も、極ウマだった。
「うまい! これは繁盛まちがいなしだな」
「ありがとうございます。デザートもあります。どうぞ」
「何だ、これは?」
「その通り! 先輩、わかってきましたね。それは、ごま団子風ナンです」
南南軒、なかなかいいラーメン屋だが、客として行くなら、ツッコミのセンスが必要だと俺は思った。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
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企画: #プロジェクト路
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よろしくお願いします。
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。
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