生き急ぐ
横断歩道で生き急ぐ
いつものようにバス停でバスを待っていたときのこと。
34分発のあとに36分発のあるバスだ。
34分と30秒ほど経つと
坂を上ってきたバスがひょっこりと顔を出す。
来た来た、黄色のオレンジの車体を見ると
時間通りに来てくれた安堵を覚える。
(田舎のバス停なのでバスの現在地がわかるような
電子掲示板?がないのだ…
いち早く導入して欲しいと切実に思う。)
おや?バス停へと続く横断歩道の奥から
ショートボブのおばさんの姿が。
バスが来たのを確認するや否や、無我夢中で
横断歩道を駆け抜けていくではないか。
バスの後ろからは当然、後続車が来ているのに
安全確認もせずにイノシシのように駆け抜ける。
後続車のドライバーさんはクラクションも鳴らさず
とても優しく減速し、事故は免れた。
あのね、おばさん。
34分発の後には36分発があるのだよ。
そんなに生き急いで何をしたいの…?
目の前の目的を達成することにしか目がない
愚かな行動は慎んでおくれ。。
「どうしてもあのバスに乗りたくて
安全確認もせずに横断歩道を渡ったら轢かれました」
なんて恥ずかしくて口が裂けても言えないでしょうに。
甘栗求めて生き急ぐ
那須旅行に行った時のこと。
観光名所、もみじ谷の吊り橋。
その入り口に焼き栗の売店
「焼きポン」を販売していた。
シューーとけたたましい音を立てながら
焼きあがる焼き蒸し栗のような感じ。
ホクホクの栗たちが非常にキュートだ。
会計を済ませると袋詰めするのに幾分か待たされた。
すると後ろから、声の大きい2人組のおばさんが
我先にと言わんばかりの勢いで並んできた。
彼女らの傲慢な姿に圧倒された
売店の気弱なおばさんは
先に並んで会計を済ませていたわたしを差し置いて
焼き立ての栗を彼女たちに渡してしまった。
わたしがたった今焼きあがった栗を一番乗りできるハズだったのに…
彼がお手洗いに行っているときの出来事だったので
まだ栗を手にしていないわたしを見つめる彼。
その優しい瞳に「わたしが先だったのに…」と訴える。
「あんなおばさんにはなりたくないわ!」と心に誓う。
ところで肝心の焼きポンは
ほんとに美味しくて感激した!
食べながら食欲の出る不思議な栗。甘くて最高!
人生膨大な時間があるのだから
生き急がず徐行していこうよ。
いつも早歩きのわたしをやめてみる
そんな1日を過ごします。